こぼちゃん

駆込み女と駆出し男のこぼちゃんのレビュー・感想・評価

駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)
4.0
井上ひさしの小説『東慶寺花だより』を原案とした作品。江戸時代、幕府公認の縁切寺とされた神奈川県鎌倉市の東慶寺。

時は天保十二年(1841年)、江戸時代後期。夫が妻と離縁することは容易だったが、妻のほうから離縁することはほぼ不可能だった。鎌倉の尼寺、東慶寺は、そんな妻たちの離縁を可能にする幕府公認の縁切寺。寺に駆け込み、2年を過ごせば離婚が成立、約2000人の女性を夫から自由にした。

東慶寺の御用宿の主人・柏屋源兵衛の甥の信次郎(大泉洋)は、医者の知識を持ち戯作の考案中。豪商のめかけ・お吟(満島ひかり)は、突然、旦那・堀切屋のもとを離れ、駆け込む。鉄練りのじょご(戸田恵梨香)は、浮気性の夫からの暴力に、駆け込む。

戯作風に、当時の江戸文化を話す処など、やや冗長的な部分もあるが、体調が悪化するお吟が夫を愛するからこそ、寺に駆け込んだ、女のあだっぽさ(美しさ)。じょごと道場の娘が襲ってくる輩を次々に成敗する痛快さ。

男性絶ちの女性たちが男が通ると匂いに興奮したり、いつも男より強く品もある東慶寺の法秀尼も、たまに女性になる処。じょごにキスされて、きょどる信次郎など、笑いも放り込んでいる。

最後に、じょごが進次郎の夢のプレゼントとして、面識がある江戸のとある人物を愛する夫となる進次郎に紹介するシーンが微笑ましい。
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