140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ハッピーボイス・キラーの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

ハッピーボイス・キラー(2014年製作の映画)
4.7
ルシファーだって天使だった…

「デッドプール」公開前にライアン・レイノルズ主演作品を見ておこうと思いまして。

「リミット」みたいに幸薄い系主人公が似合う人だな…と。

”自分の精一杯”が届かない作品。
それが心を抉るように快感でかつ愛おしいと思うのです。
「タクシードライバー」のトラヴィスしかり「フォーリングダウン」のD-フェンスしかり。

今作は”孤独”においての焦点の当て方が素晴らしく愛おしく哀しい。常人として生きるチャンスはあり、恋人だってできるチャンスはあるにも関わらず、そのピースをどうしても当てはめられない…
人の話は聞いてないし、人の感情を読み取れないし、サインは出ているのに見逃し続ける。そしたら孤独が増して行って、クスリを飲んだらまた孤独、クスリを飲まなきゃ犬とネコは一緒にいてくれる気がするがピースがまた1つ、また1つ崩壊していく。
相対する感情が犬とネコを介してほのぼのとした絵を提供するが、常人の視点から見たら狂気の沙汰…
まともな人間なら楽しい歌だって歌えて、幸せそうに踊れそうなのに、根本的にピースが欠けている。
どうにもならい
どうにもならい
どうにもどうにもどうにもならない…
天界じゃあ暮らせそうにない。

人はみんな違う
愛しかたも
痛みも違う
その違いが素敵だって
言えたら…

犬喋ればワンダフルでしょ?

アニメ「魔法つかいプリキュア」のOPの歌詞が切なく響くのでした。