神戸典

トラッシュ!-この街が輝く日まで-の神戸典のレビュー・感想・評価

3.8
ブラジルのリオデジャネイロ郊外のゴミ山に住む少年ラファエルは友達のガルドと一緒に毎日ゴミの中から生活するためのものを仕入れていた。
ある日財布を拾った事で少年たちは大きな事件へと巻き込まれていく。

ストーリーは始め、追い詰められるジョゼのシーンから始まる。彼の残したものを拾った少年の生活と行動によって秘密が明かされていくと同時に後半にジョゼがなぜこんなことをしたのか。彼は最後にどのような行動をしていたのかが回想として映される。
まるで実話だと感じてしまう写し方と少年たちのインタビューシーンなど。夢中になって見入ってしまった。
主人公の3人はオーディションによって選ばれた無名の子供と知り、さらに驚いた。
一人一人がとても素人とは思えないほど色が出ている。

ストーリーは今の世の中にあふれている横領や政治の闇を浮き彫りにする事を諦めずにつきつめようとするもの。
さらにどんな小さな行動も力を合わせれば決してどんなに大きな圧力にも屈しない槍となる。自分だけでなくみんながいる。
そんな強い気持ちが込められているように感じた。
なによりも、政治など自分たちの生活から最も遠く、影響がないはずのものであっても「正しい事だから」という理由でやってのける姿に背筋が伸びる思いをするだろう。
神戸典

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