140字プロレス鶴見辰吾ジラ

怪獣の日の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

怪獣の日(2014年製作の映画)
3.0
”妄想vs現実”

ある日、怪獣が現れ街を破壊した。
自衛隊は初の防衛出動。
怪獣を海戦において撃滅。
しかし死体は回収できず。

ある町の海岸に打ち上げられた。
そこから奇妙な空想話が始まる。

2014年の映画。
あの「シンゴジラ」の2年前に描かれた
もしも怪獣が…のリアリティ路線映画。

しかしながら、今作が燻らせている死臭のような熱量は、システマチックな役者の演技やデフォルメしすぎた政治家のベールに曇らされることなく、常に不気味な威圧感を感じさせる。30分のランニングタイムながら、思いのほかゆったりと進む物語は、たしかな異物の存在の受容・利用・抗議・楽観・体裁・愚行と押し並べて、何か形ある形ない警鐘を鳴らしているようでゾクゾクする。

それはいつか、
いつか目の前で起こる出来事かも
という淡い期待感と不安感が
悪臭を放つ怪獣の瞳から発せられていた。