たにたに

ダーティ・グランパのたにたにのレビュー・感想・評価

ダーティ・グランパ(2016年製作の映画)
2.9
【得るものなし】2023年22本目

妻を亡くしたロバートデニーロ演じるお爺ちゃんが、結婚を控える孫のザックエフロンと一緒にセックス相手を探す旅に出るという超どぎつい下ネタ映画です。

ザックエフロンファンのためのティーンムービーな訳なのですが、若い連中らに負けじとハッスルするロバートデニーロ、という超名優を無駄遣いする、ある意味冒険的で野心的な作品ではありますね。
この台本をもらってなぜ出演を決めたかインタビューしたいくらいです。
何も考えず2倍速で見ても何ら影響もありません。


あえて、この作品の企画意図を考えるとするならば、まず性的嗜好を包み隠さず話す事が悪ではなく、むしろ普通のことであるという文化形成への意欲。
それを美男美女やデニーロという名優に演じさせることによって説得力を持たせ、面白おかしくさせることで性の話をするハードルを下げたいのかなと思います。

比べるのもおこがましいですが、
コーダのように下ネタを取り混ぜながらアカデミー賞を獲る作品もありますので、

完全に下ネタに振り切って笑いを取るか、
社会問題の中にクスッとする程度に織り交ぜるか、は、アメリカ本国ではどちらも文化としてあり得るってことですね。

しかし解せないのは差別的な表現が多いこと。黒人やLGBTに対する差別表現。
しかも、"でも私はそういう人を理解しているよ"と言わんばかりにフォローしているのが気持ち悪い。じゃあ言わなきゃいいんですよ。思ってもないことを言わないもんなのよ、普通は。
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