このレビューはネタバレを含みます
every child is special.
世界中の全ての子供たちを地上の星たちとたとえるのは、素敵な考え方だなとしみじみ思った。
ディスレクシアで生きにくく感じていた子供イシャーンが、アーミル・カーン演じる美術教師と出会い、才能を開花させ、自らの人生の可能性を広げていくというストーリー。
オープニングの、イシャーンの空想の世界のカラフルでかわいいアニメーションの演出にワクワクする。
そしてやはりインド映画らしく、心を揺さぶるようなドラマティックな演出が多い。
悲しみにどっぷりと浸り、喜びには踊って歌うほど盛り上がる。
急な歌の挿入こそ、やはりその真骨頂。
バンバンボーレ〜♪と耳につく愉快なメロディで、アーミル・カーンがおかしな格好で登場し、すぐに子供の心を掴むシーンは楽しい。
その一方で寮暮らしで悲しみに沈むイシャーンの様子を表す歌は、打ちひしがれるほどのショックがよく伝わってきて、悲しくなる。
歌をうまく利用して、観客により感情移入をスムースにさせようとしている。
ディスレクシアについては、昔テレビで知り、トム・クルーズやアインシュタインがそうだというのは聞いたことがある程度の知識だった。
そのため、ディスレクシアと当人や家族などの周りの人が、どう向き合うべきなのかについて美術の先生を通して明快に描かれているこの映画のおかげで、ディスレクシアへの理解がもう少し身近なものとして深められた。
ディスレクシアに限らず、しょうがいに限らず、みんな人々は何かしら「普通」とは違って、それは全て個性と受け止められるべきことなのだと、この映画は強く訴えているようだ。
そして、まだ大人へと成長する余白のある子供たちは、特に才能開花の可能性が大きい。
彼らは本当に、何にでもなれるのだ。