ルパン三世TVSP第15作
アバンタイトル部分（マフィアのラッツが経営するカジノから、アタッシュケース一杯のルーブル紙幣を盗み出す）の出来がとてもいいですね。
変なお宝にまつわる冒険ではない、堅実な盗みのシーンが入るのは、相当久しぶりではないでしょうか。
また、そんなアバンタイトルからのOPの後には、TVシリーズで用いられていた、タイプライター式のタイトルが登場します。
変な言い方ですが、これぞルパン三世！というオーソドックスな始まり方に戻ってきた、という印象です。
ストーリーは、ルパンの旧友で、亡くなった泥棒の老紳士マークが所有していた『トリックダイヤ』を手に入れるために、「マークが過去に盗んだお宝を元の場所に戻す」ルパンと、トリックダイヤを狙う悪漢達とのハチャメチャ珍道中です。
お宝返却過程で登場する銃火器の描写が丁寧な本作は、他のレビューやweb記事等でも述べられておりますが、それらの武器や作品の背景となる時代毎の政策等に、ある程度知識を有する方が楽しめます。
ただし、それらに対する造詣が深い方が良いというわけではありません。
あくまで、作品背景のエッセンスとして理解しておくと、より面白いですよ、ということです。
（一例を挙げますが、〈グラスノスチ〉がどうのこうのと言われても、その時代を知っている、近代世界史をしっかりと学んでいる、ソ連オタクである、といった人でない限り、パッとはわかりません……w）
【本作のゲストキャラ】
マーク……恋した女性に想いを告げることなく、生涯独身を貫いたロマンチスト。
その昔ルパンと、「不動産王ドナルド・トランプの住む、トランプ・タワー最上階のペントハウスのトイレから、どちらが先にトイレットペーパーを盗むか」という下らない勝負をした。
ラッツ……山寺宏一の二度目のルパン悪役。マフィアのボスにして抜け目ない男。
専属殺し屋ミーシャを「弾除け」なんて言ってたけど、最後には……。
