花とアリス:エピソード1
〜ドーン・オブ・ジャスティス〜
「花とアリス」の前期譚をロトスコープアニメーションで描く。
始まりは転校してきたアリスが部屋でバレエを踊るシーンから。
これが軽やかでふんわりとしていて、何より前作「花とアリス」のクライマックスシーンでもバレエでの演出をしていたため記憶喪失であろうがなかろうがフッと記憶に蘇る嬉しさがあった。
互いに出会う前は
アリスは離婚により田舎に引っ越してきた転校生。自己紹介で黒板に以前の苗字である黒柳の黒だけ書こうとして有栖川に書き直したとき、これまた「花とアリス」にての父との外食シーン、母親のババァ死ね!以上のムカつく印象が一本の道になる。
そして何より天然素材のアリスの天才っぷり、天然素材の天然っぷり、あどけないながら真っ直ぐな部分や花と出会う前の尖った部分が見られて何よりである。
一方の花は引きこもり。前半は「花とアリス殺人事件」の殺人事件をクローズしてセッティングするためにサッパリ登場しないが、彼女が引きこもりになった理由が出会ったばかりの2人の探偵物語の中で語られる過去により切なくサイコチックに浮き彫りになるシーンは素晴らしい。
「花とアリス」にて愛しの彼へのアタックする手段が前期譚においてしっかり根付いていたことが嬉しかった。
しかし鈴木杏の声が太かったことに驚く…
かくして出会った2人ののらりくらりの探偵物語が暴いていく?いや、2人の心が近づいていくことで明かされていく過去に至るまで遠回りで憧れる一晩がけの冒険劇が、嬉しさ、切なさ、戻れない青春、憧れをクリーミーに混ぜ合わせて心に注入してくれた。
やっぱりこの2人は好きだ。
蒼井優の声優としての演技は良かったです。むしろ今作の雰囲気的にプロの声優起用でなくオリジナルメンバーであって大正解である。
そんな蒼井優もおはスタのおはガールの過去があることが衝撃である。
鈴木杏は「六番目の小夜子」でぶっきらぼうな可愛さにハマり、なりよりバディモノへの適性は高い思い出。いや、ふつうに好きだった。
個人的な名シーンは、アリスが手羽先ボーイにからかわれた腹いせにフェンスから突き落とし、ダイビングフットスタンプの後、鋭いグーパンチを連打するシーンである。ヒョードルみたいなキレッキレなグーパンチを私ももらってみたいと思ってしまった。