140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ズートピアの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
4.3
GW映画7番勝負第1戦。

動物の世界と例えていますが普遍的なテーマをもっての人間賛歌のような作品。
ズートピアとユートピアをもじってつけられたタイトルに抽象的な理想論を持ち込んできています。
人種差別や対テロリズムや持たざる者の努力と、夢は努力すれば叶うなどテーマ自体が抽象化されているため鼻についてそれまでの映画になりかねないですが、そこは製作陣営のハイクオリティなセンスを散りばめ、押し上げ、素晴らしい作品に仕上げてきています。

メインキャラをイソップ童話ではマヌケな役回りのウサギ、詐欺師のキツネと位置付けることで納得のいかない社会の不条理さをポップに表現しています。
それでいてキャラクターにここはコメディックにここはシリアスにと使い分け、事件→解決→さらになぞ→解決とステップの踏み方がテンポよく、大それたテーマながら100分超の作品として落とし込んでいるのでダレることなく楽しめます。実際ご都合主義的な解決の仕方ですが、魅せ方や抽象化したテーマ+可愛いキャラクターたちで彩り工夫し高レベルな作品に仕上げました。