おらんだ

チャッピーのおらんだのレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
4.3
2016年南アフリカ。多発する犯罪に備え、地元警察はロボット警官の配備を進めている。ロボットの開発者であるディオンは、ある日自分で考え、成長する事のできる人工知能ロボを開発する。しかし、彼はロボットと一緒にストリートギャングに誘拐されてしまう。

第一印象は「パトレイバー」。警察の運用するロボットってそのまんまじゃん。人は乗れないけど。耳だってあるし。どうしてもイングラム、それもアルフォンスに見える。
一方、ムースは、ロボコップの敵にも見えるけど「マクロスF」のケーニッヒモンスター・ガウォークモードにも似てる。色とかミサイルとか。ぶっ放し具合とか。何故こんな物騒な物を警察にPRするんだろう。営業先間違ってますよ。

生を渇望するロボットの話は数多あれど、その成長プロセスの中で清濁合わせて学習し、良い事も悪い事も自分で考えて行動できる様になるという部分は新しい。ベースを善ではなく、白紙にしたのが良かった。そこから彼の悩みや迷いが生まれたので、話が面白くなった。

キャラも個性的。チャッピーの保護者となるディオン、ニンジャ、ヨーランディ辺りは良くも悪くも人間臭く、情緒の形成に大きく影響を与える。
シガニー・ウィーバーは…最近何か女ボスの役ばっかりだなぁ。

感情を解析する人工知能は既に完成している。これを応用し、声や表情から感情をパターン化する事ができれば、単純な感情表現ならロボットでもできるらしい。
一方、直接会話する機会が減った事で、人間の感情表現は少しずつ乏しくなっているんだそう。

無感情な人間の事を「ロボットのような人」と揶揄する言葉がある。対して、感情表現が豊かな人間は「人間味のある人」と形容する。テクノロジーが進歩すればこの二つの言葉の意味は逆転しちゃうかもね。
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