ぎー

エクス・マキナのぎーのレビュー・感想・評価

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
3.5
【第88回アカデミー賞特集1作品目】
"人間か、人工知能か"
AIについて、フラットに警鈴を鳴らす作品。
中盤まで、映画を見ている僕らはAIの人権について考えさせられる。
人型をしている、ということもあるけど、AIに人権はあるのか無いのかずっと考えさせられながら映画は進んでいく。
いや、むしろ主人公の独身男性同様、その完璧に魅力的な人間性を身につけたAIエヴァを相手にして、人権しか感じない。
それが終盤、一転する。
終盤はAIの脅威を感じながら映画を見ることになる。
作中に出てくる検索エンジン会社の社長もプログラマーも、スーパー優秀であるにもかかわらず、AIに掌の上で転がされた。
これはこれまでも多くのSFで描かれてきたことだけど、もしかしたら人間はAIに凌駕されてしまう可能性は十分にあるということ。
この2023年、2024年はまさにAI元年となった。
僕ら一般人はchat GPTや画像生成AIに感嘆して、それで世の中が便利になるなら良いじゃないか、なんて安直に思ったりする。
実際僕もそう思ってた。
でも、高名な方々が警鈴を鳴らしていたり、各国で規制がなされたりしているように、非常にリスクを孕んでいて、AIを受け入れる土壌がまだ整っていないっていうことを強烈に認識した。

とにかく演出が全てお洒落なのもすごい。
別荘の内外装、服装、音楽、山々の風景、画の質感。
全てがクールでお洒落。
映画を見ているだけで心地よく感じる。

映画はそんなお洒落さに隠れて、なかなかな描写だった。
結構露骨に女性の裸が描写されるし、殺人、殺AIもなかなかグロテスク。
これを世界を代表する超美人実力派女優ヴィキャンティにやらせちゃうからすごい。
『リリーのすべて』でオスカー取ったりしてる実力を考えるとヴィキャンティの無駄遣いな気もしなくもないけど、その美しさは遺憾無く発揮してたと思う。
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