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ブラックパンサーのumisodachiのネタバレレビュー・内容・結末

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

黒人のヒーロー『ブラックパンサー』がアメリカで熱狂を呼んでいるらしい。ということで観てきた。なお、私はアメコミに全然くわしくないので、キャラの相関とか位置づけとかはまるで分からない。

アフリカの隠れた文明国ワカンダの若き国王ティ・チャラが主人公。絶大なパワーを持つ鉱石ヴィヴラニウムを活用することで凄まじい発展を遂げているワカンダだが、その力を他国に悪用されることを恐れ、情報を決して漏らさないように気を配ってきた。そのため、世界中にワカンダのスパイが潜伏。経済的にも隔離された状態にある。

決められた儀式を経て国王と認められた者は、特殊なハーブを服用することで超人的な能力を持つブラックパンサーとなることができる。

ブラックパンサーとしてのアクションは見ごたえがあるし、妹などの女性キャラのスタイリングも非常に魅力的。単純に目で楽しめる映画だった。がしかし、なぜか乗り切れない。あまり入り込めない自分がいた。

ストーリーのライオンキング味が強すぎて、「アフリカといえばライオンキング」な感じにテンションが下がったのがひとつ。あとは、やはり世界観かなあ。

<この後、ネタバレ含みます>











ヴィヴラニウムのパワーによって超文明国になっているという設定はいいのだが、ヴィウラニウムの力がよくわからないのと、その研究開発を行っているのが主人公の妹だけに見えたのがまず引っかかってしまって没入できなかった。

物理法則をも無視したような形状になったり、自在に動かしたりできそうだったのに、あんなに普通の大都市っぽい街にするかな?とか疑問に思ってしまって……。(秘密を守るために衛星からも分からないようにするならば、もっと違う都市計画になるのでは?)また、あの妹が天才なのはいいとして、長年ヴィヴラニウムに頼ってきたのであれば、歴代の科学研究があったわけで、さすがに1人でラボにいるというのは不自然なのでは?

そんなことを考えるのは野暮だと言われればそれまでなのだが、なんだかな。簡単にこだわることができそうな部分をサラっと流した理由がよく分からない。

あと、敵に倒されたあとに再び登場した主人公が、かつての国民たちと平然と戦っていたのもちょっとついていけなかった。そもそも複数の民族の縄張りを保ったまま構成された国だし、戦いによって国王を決めるという文化がある以上、自然な流れだと言えなくもないとは思うものの……。

寝返った部族のトップ(ウカビ)が、元々開国派でティ・チャラと対立していたという伏線が示されていれば違ったのかもしれないし、主人公にも攻撃への多少の躊躇があれば気にならなったのかもしれないが、「え、そんなにあっさりと攻撃しちゃうんだ?」と少しビックリしてしまった。

そして、これを言っては元も子もないのだが、敵役死なない方が良かったのでは?あそこで無理やりにでも生かしてあげないと、父親の行為との差別化が図れなくない?過激すぎたし世界征服を目論んだのはやりすぎだったものの、完全にトチ狂ったことは言ってなかったし、ワカンダのテクノロジーを独占してきたツケを払わされてきた不幸な相手なわけだし、今後の国の方向性を示すきっかけになったのは確かなわけだし。もっとやってあげられることはなかったのか?とモヤモヤしてしまった。

結局のところ、私はこういうタイプの作品は合わないんだろうな……。キングスマンとかキック・アスくらい不謹慎だったりバカバカしかったりすればいいんだけど、真面目になられればなられるほど、設定やストーリー展開の粗ばかり探してしまってダメみたいです。





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