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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のabeeのレビュー・感想・評価

3.4
【ニュート'n 動物記 巻ノ2
〜ズーウー・・・いくらデカかろうとネコはネコ。猫じゃらしさえ用意できれば手懐けることができるでしょう。
ただし、寝込みを襲われた時の命の保証はしません。】

うーーん。
これはとても先が思いやられる作品でした。
それは前作で良かった部分を殺してしまう致命的な存在の登場です。

「ハリー・ポッター」シリーズにおけるヴォルデモート卿的存在となるグリンデルバルド。
前作懸念した通りでした。

私がジョニー・デップが苦手だという主観を抜きにしても、グリンデルバルドが作品の中で明らかに浮いています。
彼の存在感が強すぎる。
どのシーンでも悪目立ちしている。

ジョニー・デップという俳優は助演を張れる人間ではないと思うのです。
グリンデルバルドのキャラクターの造形も、ジョニー・デップのこだわりが前面に出すぎていると思う。そのため、映画の雰囲気に合っていないように見えます。

ところが、前作の最後に登場した時はそこまで違和感は無かったのです。
今作でここまで違和感が出てしまったのはやはり舞台のせい。
舞台がニューヨークからヨーロッパ、しかもグリンデルバルドのバックグラウンドがヨーロッパにあることが分かったことで彼の人物像にジョニー・デップがマッチしないように思うのです。

ジョニー・デップの目立ちすぎで周りの人物たちの魅力まで半減。
特にエズラ・ミラー演じるクリーデンスの不気味さや底知れぬ雰囲気が削がれてしまってるようです。
これは次作以降も決定的な致命傷になる可能性があります。

「ハリー・ポッター」シリーズではヴォルデモートの造形が地味で逆に取り巻きが目立ちすぎという欠点がありました。
今作は全くの逆です。

ジョニー・デップがどうこう以前に、今作から舞台の中心がロンドンに移ったことで、全体的に暗い印象になり「ハリー・ポッター」の世界観に逆戻り。
シリーズの強みである魔法動物たちの活躍も少なく、待望の若きダンブルドア登場もほとんど活躍無しで名ばかりの客寄せパンダ状態。

それでも脚本が面白ければ良いのですが、ここも物語を進めるための説明的な部分が多く駆け足で、しかも「ハリー・ポッター」シリーズに登場した人物たちとの関連性が多く相関図が一気にややこしくなりてんやわんや。
聞いたことのある名前がたくさん出てきてしまったので、一時停止してその度にググらなければならないという情報量の多さで脳ミソが大氾濫。
ググらなくても分かったのはニコラス・フラメルだけでした。

相関図は別にわからなくても良いのかも知れませんが、ここを理解できることがこの作品群を楽しむための大事な要素だと思うんですね。
ここをほったらかしにしてしまうと、次作以降は益々楽しめなくなってしまうと。
それは「ハリー・ポッター」を全作鑑賞して学んだことです。

ということで、J.K.ローリングの作品群て原作を読まないとその楽しさを理解するのはほぼ不可能なのでは無いかと感じざるを得ませんでした。
それでもエディ・レッドメインの可愛さだけは無敵でした。
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