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合葬のneroのレビュー・感想・評価

合葬(2015年製作の映画)
4.0
杉浦日向子の「合葬」映画化! ただの幕末ちゃんばら映画にならずにすむか気になったが 素晴らしかった。 この年は同じく杉浦日向子原作の「百日紅 Miss HOKUSAI」も公開されたが、やたら湿度が高く、杉浦らしさとはかけ離れていたと思う。本作の方が遥かに杉浦エッセンスを凝縮した映画に仕上がっている。

小林達夫監督ってこれが初の劇場作品だそうだが、本気の杉浦リスペクトだ。考証にも神経を使っているのが伝わる。これなら作者も納得だろう。
映画なのでマンガよりリアリティが増しているが、過剰な描写はなく、抑制された画面作りとシンメトリー構図が静的な印象を与える。アクションも戦争シーンもあるんだが、血生臭くはない。挿入される杉浦テイストが活きている。
 
主役の3人もいいけど、オダギリジョーがいいね。あと、びっくりしたのがナレーション。抑揚を抑えた静かな声・・・誰かと思えばカヒミカリイ! 岸田今日子を思わせる。 さて原作読み返すか。
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