カエル王ちゃん

シン・ゴジラのカエル王ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

個人的には2014年のハリウッドゴジラも悪くなかったので、若干の比較もしつつ見てみた。顕著な違いとしては、放射火炎が青くないてのが気になった。米国産ですら伝統的な青だったので、本家が変えてきたんが意外。米国産は作中でたった2回、一番の見せ場だけに使ってて、必殺技なのでこんな勿体ぶった使い方も納得と思ったが、 #シンゴジラ は進化し終わったら結構大盤振る舞いに吐いてて面白かったw。しかもいろんな所から出すし。また両ゴジラの目的も違ってて、芹沢博士が、ゴジラはムトーの出現で壊れた自然の調和を取り戻すためにその駆除に現れたと言ってたと思いますが、 #シンゴジラ はなんでこのタイミングで出てきたんかようわからんかった。まぁ、正体不明の巨大生物なのでそもそも理解不能ですが。なんで今出てきたのか。それはおそらく、去年が戦後70年目の節目だったからかと、売り切れだったのでパンフも読んでないし、その他資料もないけど、 #シンゴジラ なんでこのタイミングで問題は、そのように理解したい。
#シンゴジラ で描かれる現実は、組織的な交渉とか意思決定とか世論を気にしたりとか、また若干踊る大捜査線を彷彿とさせるような会議室の様子で表されていたと思うが、その根底には原爆投下、敗戦という時間的な現実が色濃く反映されていた。米国産も広島の被爆に触れてはいたが、象徴的だった。多分、この監督が描くサードインパクトやら巨神兵が東京メチャメチャにするというのも、日本が敗戦で一度強制リセットをされた経験を投影した終末の描き方なんじゃないかと思えてきた。しかし、それらは幕引きも破滅的で希望はなかったけど、 #シンゴジラ には希望が描かれていたと思う。希望とは何か。それは首相はじめ閣僚の殆どが行方知れずとなり、通常兵器も通用しない相手に矢口たちが戦い続けたこと、原爆で瓦礫の山となったこの国で3発目の原爆を使うというデジャブを避けて新たな手段で #シンゴジラ を倒したこと。それらが恰も戦後復興の道のりを想起させるんですよねぇ。その意味で、 #シンゴジラ という困難に打ち勝つ姿が描かれたことには、敗戦から立ち直った往時の日本の底力や希望を偲ばせて、戦後70年を経た現代の日本人に本来持っている力を再び呼び起こさせるという側面もあるのではと、勝手に解釈した次第であります。そしてそれが希望を見出した所以です。