小

無垢の祈りの小のレビュー・感想・評価

無垢の祈り(2015年製作の映画)
4.4
凄い映画だったねー。グロく、気持ち悪くなる映画だろうと思い敬遠していたけれど、渋谷のアップリンクで1週間限定の凱旋上映があり、怖いもの見たさが勝って滑り込んだ。

フォロワーさんたちの評価は高めで、小さい劇場だけれども連日満員。1週間すべてトークショーがあり、それによれば、既に16回観ていて、あと1回観るという人もいたとか。カルト的な人気なのかな。

幼児虐待がテーマということもあってスポンサーが集まらず、監督が全額持ち出しで製作。映倫の審査を通過していなくて、上映館も限られる。

しかしその分、とても振り切った表現、内容でありながら、バカバカしくなく、グロすぎるだけではない、絶妙なバランスを保っているような気がする。

親たちのイカレっぷりに嫌悪感を抱き、人形を用いたシーンにゾワゾワし、アバラくんのグログロなシーンにうげーと思う。徹底的に救いがない少女が自転車で疾走するシーンに少しだけホッとするけれど、死神に取りつかれたかのような精神状態に怖さを感じる。

しかしそこには荒唐無稽と切って捨てられないリアリティを感じる。タブー視される幼児虐待の問題。だからこそ、多くの人に気づいて欲しいという監督の思いがこもった映画。

上映できる映画館が少なく、特に地方では困難なためアップリンククラウドへの配信をすることにしたという。人によってはトラウマになるかもだけれど、個人的には観てよかったと思う。
小