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ジョン・ラーベ 南京のシンドラーのbluestarのレビュー・感想・評価

4.0
この映画は、日本兵が虐殺行為を行なっていた当時の南京の状況を、現地駐在員だったドイツ人、ジョン・ラーベの実在する日記を元に描かれた、2009年公開のドイツ・フランス・中国合作による映画です。

日本人キャストは意外な程豪華。

香川照之
杉本哲太
柄本明
ARATA(井浦新)

ドキュメンタリー的なのかと思っていたら、一見ハリウッド映画のようにも見える程ドラマテックな展開ありの大作で、見どころも多く、面白かったです。

なのに、テーマゆえ、日本では配給会社がどこも上映を拒否し、劇場公開されなかったという勿体ない映画です。

日本人キャストはこんなに大物ですから、出演者は確固たる覚悟で挑まれたのだと思われます。
今はDVDで観れるらしいですが、たまに上映会があるので、大きなスクリーンで観れる機会があればおススメです。

ドイツは当時日本と同盟国だったんだよなぁ。と嫌でも実感する場面があります。それはどんな場面かは、最後に書きます。


今日は、井浦新さんがネットニュースに出ていて、それで前にこの映画を観たことを思い出しました。
そのニュースとは「KAWASAKIしんゆり映画祭」でドキュメンタリー映画「主戦場」の上映が主催NPOの判断で中止になったことに対し、是枝監督と井浦さんが批判した、というもの。

上映中止で批判相次ぐ 是枝監督「あるまじき判断」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191030/k10012156101000.html

井浦さんはこのジョン・ラーベにも出演されていたので、製作者や俳優が覚悟して作り上げた作品を、いとも簡単に周りからの批判を恐れた主催者が、上映の機会を諦めてしまうことを許してはならないし、このままでは製作者をますます萎縮させる、と危機感を持たれたのは当然だと思いました。

観に行った上映会は、神田駿河台の連合会館で、大谷猛夫さん(「南京への道・史実を守る会」共同代表)の講演付きでとても勉強になりました。
※講演者を最初間違えて記載してましたので訂正しました。

上映会は高齢者が圧倒的に多く、恐らく同時期に各地で行われていた上映会も同じ様な状況だっただろうから、このfilmarks の投稿数も二桁と少ないのだろう。
でも史学なのか、社会学なのか不明ですが、大学の授業で観たという方がここでは多いので、それを観た若い方達が広めてくれたら良いですね。

こういった歴史や日記のような物的証拠があってさえ、「南京大虐殺は無かった」と主張する人々はいったい何を根拠に?自分が信じた事が事実だというファンタジーですか?と思います。

2014年のネット記事をリンク付けます。
南京事件を描いた『ジョン・ラーベ』、5年がかりで公開
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2014072300010.html


⚠️以下ネタバレ注意⚠️

ドイツは当時日本と同盟国だったのだと痛感した場面とは、
空襲から逃げるために、ナチスの旗の下に日本人たちが隠れる場面でした。日本人としてはちょっとドキッとしました。
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