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ルパン三世 ルパン暗殺指令のbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
ルパン三世TVSP第5作

「犬だって、愛情かけりゃ懐く、そうだろ!?」
「野良犬は殺した方がいい」

ハードボイルドな原作に近い、緊張感溢れる劇画調のシリアスなルパン作品です。
また、本作は次元にまつわる因縁と、彼の悲しい血塗れの愛の物語という側面も持っているため、実に大人なストーリーとなっております。


本作冒頭、銭形のとっつぁんがICPOからルパン専任を解かれ、武器販売会社ショット・シェルの調査に回されるところから始まります。
哀れとっつぁん、わざわざルパンと次元の下まで出向いて、ウィスキーをらっぱ飲み。見かねたルパン達と、3人でやけ酒を酌み交わします。

そんなとっつぁんが可哀想だし、武器販売会社ショット・シェルの溜め込んだ金は欲しいしで、ルパン一家はとっつぁんと共に、ショット・シェル壊滅を目論みます。
そこで手始めにルパン達は、ロシアの原潜イワノフを強奪し、原子物理学者のカレン女史も誘拐。
さあ、撒き餌は用意できました。獲物を釣り上げるとしましょうか!……と思ったら、銭形後任の捜査官キースがかな~りヤバイ相手だった上に、カレンも次元に何か思うところがあるようで……。


テンポ良し、キレ良し、外連味良し、スケール感良し、見せ場良し、ロマンス良し、荒唐無稽ぶり良し、俺に良し、お前に良し、うーん良し。
潜水艦内の描写や宵闇の攻防等、基本暗所をメインに展開するため、抑え目で冷たい画面作りがされています。
ハードボイルド路線に変わったため、見る人によっては違和感があるかもしれませんが、私は断然このタイプが好きです。


本作EDテーマ『Destiny love』は、初めて鑑賞した時から大好きな曲です。伸びやかなメロディーが耳に残ります。
カラオケ(JOYSOUNDに有り)では、歌う人が全国に誰もいないようで、易々と1位が取れるのが寧ろ悲しい……。
Oh my destiny~♪

【本作のゲストキャラ】
ジョン・クローズ……cv野沢那智。武器販売組織ショットシェルのボス。

カレン・クオリスキー……ロシアの核物理学者。次元を父の仇と憎んでいるが、相反する感情の芽生えに揺れ動かされる。
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