きき

人生はローリングストーンのききのレビュー・感想・評価

人生はローリングストーン(2015年製作の映画)
3.0
『ザ・サークル』のジェームズ・ポンソルトが、作家デヴィッド・フォレスター・ウォレスと、彼のインタビューをした記者との交流を描いた実話を映画化。

ローリングストーン誌の若手記者リプスキー(ジェシー・アイゼンバーグ)は作家志望で、本も出版したが、まだ評価は硬い。
ある日、大きな賞を受賞した長編を書いた作家、ウォレス(ジェイソン・シーゲル)の特集記事を組むことにする。
難色を示す上司を説得し、ウォレスを尋ねることに。
偏屈な作家も多いので、警戒して訪問したリプスキーを、ウォレスは思いの外好意的だった。
二人は上辺の会話から、次第に深い話になっていき、互いの気持ちを吐露していく。
そこから見えたウォレスという男は一体どんな人物だったのか。

というお話。

実話ベースの伝記もの。
なので淡々としていて、内容もほぼ会話劇なので、好みは分かれそう。

でも、現代のSNSなんかで通ずる話な気がする。

ウォレスはどうしようもない孤独を持て余していて、リプスキーはどうしようもない嫉妬心を持て余している。
その描写が、まるで駆け引きのような会話に現れていて、心理描写が絶妙だったなぁ。
それは、主演二人の名演が光ったからだと思う◎

誰かを羨む、妬む気持ち、それは結局無い物ねだりなんだなって言うのが、この二人を観てよく分かる。
他人は自分が気付かない、なんてことない部分を羨むし、自分はきっとその反対。
なんとなく、そんなこと知ってるのに、突きつけられるような気がした。

ジェイソン・シーゲルがこういう演技をすると思わなくて大発見だった!
どうもコメディ色の強い俳優だと思ってたんだけどな。
そしてジェシー・アイゼンバーグの微妙な表情の変化、やっぱり好きだなぁ、と再確認!

最後の終わり方、これが実話なんて、と思う反面、とても実話らしい、とも思う。

記録 : 2020年302本目。
きき

きき