肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

こちらピープリー村/Peepli [Live]の肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

4.0
借金苦に自殺なら助成金の噂に「自殺フィーバー」に踊らされるインド農村
記者の前での自殺宣言が取り上げられた兄弟の村にマスコミ、政府関係者が大挙してお祭り騒ぎ!ブラックコメディ・・・?
いつ自殺するの?今でsy(※絶対に他人かけていい言葉ではありません※

ちょっとしたシュールな笑いの奥に潜む"圧倒的胸糞"に胸を締め付けられるインド社会の『人権』を問う「問題提起映画」

ちょっとこの映画、軽い気持ちで見たら火傷ですよ!あらすじからもわかる「自殺」を取り扱った映画でも主演の「ジミー大西」さん似のふぬけた顔からシュールorブラックな「ファミリーコメディ」と思ったのが間違いだった!
至極真面目な"社会派"「問題提起映画」や!!

2010年のインド映画ですから勿論映像、演出面で褒めるべき点は見当たらないのです。でも2020年超えた今でも数多くのインド映画近作を見ては"脚本面"で指摘、腐すような映画が非常に多かった!(設定や演出が魅力的でも)
でも今作は「脚本」こそ1番に称賛すべき映画。『きっと、うまくいく』でエンタメ、問題提起としての総合エンタメとして震撼(感動)し「インド映画キてるぞ!」と見る目が変わった日本。
その前にエンタメではないながら、驚嘆の社会派脚本の映画が出ていたなんて、よりボリウッド映画の見る目が変わった心境です。

ストーリーとしては、2000年前後を境として"インド農業"の淘汰と社会の変遷を描いた映画となりますが、その農村で借金苦から自殺で"見舞い金"目当ての一家(兄弟)に着目したお話。
辛いのはその一家の描き方!寝たきりの母、独身の兄と複数子を抱える弟夫婦の核家族住まい(ほとんど小屋)で兄弟はどうする?自殺する?の相談で「ハイ!俺やります!」「イヤ!俺やります!」「どうぞどうぞ」の掛け合いなきシンプルに「自分が」のやり取りの"深刻さ"が見ていてツラい…
さらに畳み掛けるように家族女側の"口うるささ"、いがみ合いで大黒柱である男側は完全に尻に敷かれている情けなさwは笑い事じゃなく、母と嫁は「魔女」「呪われろ」と罵詈雑言で罵り合い、果てに弟嫁に兄は「死○」と家族総出で"死をなすりつけ合う"醜い悲愴さがどこかの終着点を見た気にさせるんですよね…

と、それだけでは「社会派」としてはいま一歩弱く、ただの「逆ハートフル映画」となってしまいがちですが、そこに聞きつけた"視聴率"を目的としたマスコミの軍団、さらにさらに州首相やライバルの立候補、隣町村長を絡めた「選挙」を絡めることで「寒村」が一気に"お祭り会場"へと化すドタバタ劇へとなっていきます。
その"報道の在り方"、"マスコミの揶揄・風刺"が邦画『罪の声』を思わせる社会派の一面を覗かせて、注目の兄弟の喧騒の中人知れず亡くなる村民、疑問を持つ報道員の顛末がさらに後味の悪い思いをさせ、より一層の"社会派"の一面を克明に刻む事に成功してるんですよね…

シュールに見せかけた真剣に"胸糞"の事実を描いてみせた非エンタメボリウッド映画。
1991〜2001年にインドでは"800万人の農業辞退"に「辞めた」だけでは済まされないドラマを思わせる映画です。