Same

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのSameのレビュー・感想・評価

2.9
スターウォーズ、新3部作の最終作になります。いろんな意味で終わったなあと感じました。

ライアン・ジョンソン監督にぶち壊された新3部作、エイブラムス監督がなんとか形にして終わらせた!という印象です。ここまで持ち直して僅かながらの感動と既視感バリバリながらワクワクも残して終わってくれたのは本当にエイブラムス監督さすが!と言わざるをえません!

これは希望の物語なのだという強いメッセージを、もはや独創的な方向には身動きの取れなくなった超ビッグコンテンツの中で(前作でライアン・ジョンソンが持ち込んだ独創性がすべり倒したことがより世界中のファンを保守的な方向にシフトさせた)どうにかこうにか大声で放ったのは素晴らしかった。

人種や生い立ちに関係なく自分の人生は自分で切り開くものなのだ、ということを子供達や若者にストレートに伝える分かりやすいストーリーでした。時代を超えて繰り返し描かれるべきストーリーですよね。
もちろんファンは新しい展開、見たことのない世界を見たい。でも世界観が広がったスターウォーズでは、ハードボイルドな世界観もスピンオフで描けるようになった。じゃあ本筋のストーリーをどうするか。超王道なスペースオペラとして希望のメッセージを伝えることを選んだ気がしました。
そりゃ大人には不満が残りますよ。でもおっちゃんおばちゃんはこの映画の対象年齢外なんだから笑

とまあ、なんか少しは褒めた後で、
バタついたシリーズを職人監督らしい素晴らしい手腕でまとめあげたと言いたかったのですが、色々差し引いてもまったく手放しでは褒められない映画になってました笑

さて、以下はネタバレで書きますのでご注意下さい。












じゃあ気に入らなかったところを羅列してみますか…
まずレイがパルパティーンの孫?笑
また血族の話かよっていう、ダサい上に全然驚きも与えてくれなかったのは心底がっかりです。
どこの誰でもない「ただのレイ」だったらどれだけ良かったか。
この新三部作スターウォーズは敵がしょぼいのですよ。ファーストオーダーは全2作で散々アホの集まりのように描かれていて、シスの暗黒卿も結局また過去作のパルパティーン出してきて新鮮味が無い。それで急にファイナルオーダーとかいう超大規模な艦隊が登場、大量のスタッフがせっせと建造してたんだよね?操縦したりそれぞれに大量のスタッフが乗ってるんだよね?
この突然の大規模な敵、なんかリアリティ無いのよー
そして、大量の宇宙船団を手からのビリビリで動けなくできるパルパティーンの破壊力笑
もうお前一人でいいやん笑
フォースってジェダイだけじゃなくてみんな持ってるんでしょ?元気玉みたいにみんなからフォースちゅうちゅう吸って、無双して一人で宇宙を支配したら良かったのに。

そしてお決まりの、もうダメだと思ったところに登場する味方の援軍!笑
なんかもういいよその展開。アンテナ狙ったらスターデストロイヤー全部止められるみたいな、子供騙しの設定は子供のための映画だからまあいいとして。

今作においてはそこそこの大役だったのに全く全然1ミリも役者としての華が無いポー(オスカーアイザック)もまったく印象に残らないし、第7作目でレイの相棒となるかのように登場したフィンは、そのポーより意味のわからない立ち位置のキャラクターになってしまいましたね笑。こいつももはやモブでしかなくなりました。
前作で登場した不人気キャラのローズは大幅に出番を削られてただのモブに笑
フィンにキスしたくだりとかもはやどうでもいいんですね笑
ローズはライアンジョンソンが生み出したキャラだからまあいいとしても、フィンはあんたが創作したんだろうが笑

すごい細かいところで言えばC-3POの記憶を消されるくだりとかまた記憶が戻るに決まってるのに茶番を見せられて退屈だったり、ライトセイバーも都合よく二本出てきて、返します、やっぱ持っていきますとかなんか聖なる武器なんだから、もう少しジェダイの武士的な精神性の設定をちゃんとして欲しかった。

もう個別の文句はいいか。まだまだあるけど笑

さて、この3部作を総括して言いたいことです。
第7作目の公開前に情報が続々入ってきたころ、これからは名も無きキャラクター達が紡ぐ新世代のスターウォーズシリーズになるのか?と期待していました。ジェダイでもないフィンが主人公レイと共にストーリーの中核を担うと思ったし、R2-D2をアップデートしたようなBB-8も素晴らしいデザインだと思ったし、ここにハンソロの復活なと過去のキャラクターがささやかに加わって、これは素晴らしいシリーズになるんじゃないか思いました。
ところがどっこい新シリーズで創作したキャラクター達がほぼ全員ダダ滑りしてしまい、過去の人気キャラクター頼りになっていき、結局北斗の拳みたいな血縁のイザコザっていう既視感のある設定に頼ってしまい、過去作の焼き直しの様な何も新しくない大失敗シリーズに終わってしまいました。

役者としても晩年期に入って演技力も低下したルーク、レイアの死に様なんて誰が見たかったんですか?今作はそれに加えてもはや演技することすら忘れてしまって耄碌したランドカルリジアンまで引っ張り出して。
レジェンド達はレジェンドのままで良かったんですよ。役者として一線にいるハリソンフォードだけは出てくれてよかったと思いますけどね。彼だけはストーリーに深みを与えてくれていました。

グダグタなスターウォーズの終焉を見せられてもはや途中飽きてきた中、唯一目を見張ったのは、カイロレン役のアダムドライバーの演技力。カイロ・レンとしての姿、父ハンソロに諭されるときの少年のような表情、最後パルパティーンへ向かうときのヒーロー然とした正義の表情、見事に表現していましたね!

特に今作はビジュアル的にも目を見張るものは何もなかったですね。今作でスターウォーズに飽きてしまったというか、いろんな意味で終わりが、卒業の時が来たのかなあという感じです。また10年くらいしてからでいいかなー、本筋の続編は。
スピンオフで間を持たせよう!笑
Same

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