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ペーパー・プレーンズ(原題)のmazdaのレビュー・感想・評価

3.4
世界ジュニア紙飛行機大会を目指す少年のオーストラリア映画。
オーストラリア映画は1つも観たことがなくて映画の作りにとても新しさを感じた。ドキュメンタリーっぽい描きの映像はドキュメンタリーというよりCMみたいなリアルさのある映像で不思議な感じがした。
正直、展開や結末は観ていれば誰でも想像がつくようなありがちでベターな展開なのにシンプルに良い映画だったなあというのが終わった時に残る。
勝ち負けが全てではないけど勝ちたいというきもちや勝とうとする努力はやっぱり重要、勝ちにこだわるちょっと嫌なライバル君は本作では悪いように描かれているけど、優勝経験があり、みんなに讃えられる父をもつからこそ自分もこんな風になりたいという尊敬のきもちが強くなりすぎたうえの悪いところであり、夢をもつ男の子には結局変わりない。
ただ主人公君は勝ちを目指すこと以上に、誰かと喜びを分かち合うことや勝つことを目指すうえで得る楽しむことという他の視点に目を向けることができていてそれがライバル君との決定的な違いだったと思う。
何かを目指したり夢をもつということだけで叶わなくても、成長することができる。負けた側が負けても何かに気づけるのは、そこで自分にたりないものを嫌でも学べて次はこうしたいという夢を再び抱くから叶わなくても前進できる。
妻を亡くしてからすっかりダメダメになっちゃった主人公君の父は正直とても情けなく思えてしまったけど、次の一歩を踏み出す、何かを目ざして歩き出そうとする、それだけで人によっては初めの一歩がものすごく高いハードルになっていたりするから、その情けなさを私は悪いとは思えなかった。結果主人公君がこの大会にチャレンジしたことがきっかけで父の一歩は踏み出せたわけで人が夢をもったときのまっすぐな心が与える影響力を感じた。
外国人目線の日本が描かれているのがこの映画の面白さの1つ。日本人優勝者キミちゃんが、紙飛行機に対して美しさを求めるのは外国人目線の日本のイメージなのかなと思った。キミちゃんのファッションはちょっと謎だったけど外人から若い日本の女の子の可愛いものとかを合わせまくったり他国にはない斬新さがこんな感じに見えるのかなと解釈したらちょっと変な感じになるのが納得できてしまった。笑 日本人が見れば「なんか違う」って感覚になるけどこれが外国人が思う日本人のイメージを表現したと思えばよくできてる気がする。笑
1つの夢を追いかける彼等の目が何より一番美しくてまっすぐだと思える作品。
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