河豚川ポンズ

ワンダーウーマンの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
4.3
「美しく、ぶっ飛ばす」のキャッチコピー通りの映画。
映画が始まる2分前にネタバレをくらってしまったので、正直その分驚きとかが薄れてしまったのが悲しいです。

女戦士のアマゾン族だけが住む島、その島で育った王女のダイアナ(ガル・ガドット)は、大人たちのような勇敢な戦士となるため訓練を続けていた。それは昔から母親から教わってきた、世界に争いを引き起こす存在を倒すことを夢見てのこと。
そんなある日、時代は第一次大戦下、島に一人の男が流されてくる。ダイアナが初めて見る男、スティーブ(クリス・パイン)との出会いをきっかけに彼女は世界の惨状を知り、島を出ることを決意するのだった。

今までのDCEUが(個人的にはある程度許容範囲なのですが)イマイチな出来なのもあって、そうは言っても今回も蓋を開けてみたらダメなんじゃないかとずっと心配していましたが、そう言っていた自分が恥ずかしくなるような映画でした。
正直ここまでちゃんと作られると、今までのは何だったのかと思えてきます。笑
しっかりとした反戦や性差別に触れながらも、しっかりとしたヒーローもので、アクションや展開で中だるみのしないストーリーなのは、自分はもう文句のつけようがありませんでした。
パティ・ジェンキンス監督を見出してきたワーナーもようやく報われたような気がしますね。

宣伝ではかなり「強い女性」押しが凄かったこの映画ですが、語られるテーマに関しては自分は女性も男性も無いだろと感じたのが正直なところです。
未熟で無鉄砲な戦士であるダイアナが世界の現状を知り、リアリスト気味なスティーブと衝突しながらも成長してヒーローとなる、というのは誰にでも通じる部分のあるストーリーだと思います。
そこに反戦を絡めることで、彼女のヒーローとしての基盤である「愛」が固まるまでが、この映画の大まかな流れです。

アクションは真実の縄のおかげでかなりCG多用気味ですが、生い立ちとかもあって無双気味で突っ込んでいくのは爽快感たっぷりです。
無人地帯に突っ込んで活路を見出して味方が続いていく姿は、もはやヤンキー映画のそれです。
やっぱり時代が近いのもあってキャプテンアメリカと似通ったりするのかとも思っていましたが、結構違ったアクションになっていたのはとても面白かったです。
特にアマゾンの戦士たちが一斉に出陣するシーンが自分の一番のお気に入りです。

他のDCEUが苦戦しているようですし、バットマンとスーパーマンがパッとしない中をワンダーウーマンが引っ張ってるのも漫画通りやんと言いたくなるところですが、やっぱり自分のささやかな願いはやっぱりカッコイイバットマンとフラッシュが見られるようになることですので、なんとかこれからもワーナーには頑張ってもらいたいですね…