
ラジウム・ガールズ――1910~20年代アメリカ、時計の文字盤に夜光塗料を塗るペインターとして働き被爆した若い女性たちがいた。筆先をなめて尖らせるよう指導された彼女たちは、その後、腫瘍や骨障害で苦しみ、多くが亡くなっていった。『ラジウム・シティ ~文字盤と放射線・知らされなかった少女たち~』は内部被曝の存在が広く知られるきっかけとなったラジウム・ガールズの物語、その後の街に生きる人々を描いたドキュメンタリーである。 舞台となるのは、アメリカ中西部、イリノイ州オタワ市。半世紀以上たってもなお、取り壊された工場の欠片が町中に散らばり、ホットスポットを生み出している。キャロル・ランガー監督は、かつてのラジウム・ガールズやその家族、そしてオタワの住民たちによる証言を記録し、一本のフィルムとして完成させた。目に見えない放射能による被害、企業や政府の隠蔽体質、恣意的に引き上げられる安全基準値、地域経済における産業と雇用の抱える困難……浮き彫りにされるさまざまな問題は、現代を生きるわたしたちにとっても決して無縁のことではない。 本作は国内外の映画祭で高い評価を受け、米国のみならず各国のTV局で放映、アカデミー賞候補と目された。また、米国環境保護庁がオタワの除染作業にスーパーファンド法を適用するきっかけにもなった。




“RADIUM CITY” DOCUMENTARY FEATURE FILM (c) 1986 BY CAROLE LANGER