八木

ズーランダー NO.2の八木のレビュー・感想・評価

ズーランダー NO.2(2016年製作の映画)
3.8
漫才やコントで、短い時間中におびただしいギャグを入れていく一つの方法に、あらかじめ狂った世界を提示することがあるけど、それをやる場合は見る側が狂っていることを了解する必要があると思う。例えばズーランダーが日常生活に支障が出るくらい超絶バカという設定なのにどういうわけか一時代のファッションアイコンとして機能していたということを見ている側が了承するためには、この世界にある「ファッションモデル」という職業と同じ名称であって別物であることを了解しないといけなくて、前作よりも、はっきりとこの「2」は荒唐無稽にすることで現実と距離を作っていた。そこを指してラズベリー賞につながったといわれれば「そらそうやろ」と思うくらい、ギャグのために広げた風呂敷の割にでかくて大がかりで、出演者ともども風呂敷の端を踏んで派手にこけているような気もする。ただ僕は、「だってこれ破たんしたって別にいい映画なんでしょ」と思ってたので、そもそも肌に合わない「コメディ映画」というジャンルに初めて親近感を感じた。
僕の中でアメリカ映画のコメディといえばのウィル・フェレルが出てくると結構冷めます。面白いものは好きなのに、コメディ映画ってどうしてこんなに冷静になるのだろうか。ウィル・フェレルの面白さを必要以上に自覚した感じとか苦手でございます。
八木

八木