数学を通じて、愛がどういうものなのかを知る映画。自分自身がこの世界で一体何者なのかっていうことを、知る映画。
社会的マイノリティーというワードをひとつの題材としてこの映画が進行していく中で、主人公のネイサンは幼少期に自閉症スペクトラムと診断されるのだけれども、”映画の見せ方描かれ方”としておっきくざっくり括ってしまうと、なんかこう、すごく色々悩むちょっと気難しい少年っていうニュアンスで描かれているような気がして、んーーといった印象でした。
そこの部分では途中から出てきた同じく自閉症持ちで数学の才能にも届かなかったルーク少年が放った「楽しめない」というセリフの方が重く感じられました。
もちろん軽度なら描く必要ないじゃないかとはならないんだけど、そこへの対比が少しばかりぼやっとしてたかなあと。
けどですね、グッとくるセリフもいくつもありました。いちばん好きだったのは、アイスクリームよりあなたのことが好きよっていうシーン。すごくシンプルで分かりやすい言葉選びで素敵だなあと思いました。
題材を重く捉えすぎず、ポップに楽しんで観ると、流れる景色みたいにスッと心に溶け込んでくるのではないでしょうか(๑´ㅂ`๑)