わかめ昆布

お遊さまのわかめ昆布のレビュー・感想・評価

お遊さま(1951年製作の映画)
3.9
カラーかと錯覚する、色が透けて見えそうなほどにどこまでも美しい白黒の情景。

ちょっといけずで完全プリンセスな絹代様。
平安の衣装着せたら田中絹代にかなう女優居ないねえ…平安の姫が飛び出してきたみたいに妖艶で神々しい。お琴や詩吟まで嗜むお遊さま。
「さ、どうぞ」言い方が優雅で凛としている。

バラ園と着物のコントラスト。
全員がそれぞれの遣り口でお互いを尊重しているからこその、絶妙な何とも言えなさ‥
最後の余韻の残し方が最高潮に美しい。

お静のお遊さまへの敬い様が美しすぎて
姉妹の“禁断の愛”っていうタブーな方も強く、
怪しい雰囲気が大変良い。
原作が谷崎大先生で、溝口節とは異質な展開。

現代では、女の喫煙姿は少なからず何かしらの印象を悪くするが、この時代の人たちは、上流階級で割とキチンとした場でもフラットに喫煙していて凄く良いし、この風潮が戻ってきて欲しい。

昔の映画って、病人の横でも何食わぬ顔で吸ったり。情緒が出て良い。いつから喫煙にうるさくなったんだろうか、と気に成った。
わかめ昆布

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