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ラ・ラ・ランドのabeeのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

私はB’zの大ファンです。
なんでこんな話をするかというと、この作品の鑑賞後感じたのは「愛のバクダン」だと思っていたら歌詞が「もう一度キスしたかった」だった、みたいな気分になったから。
完全に期待を裏切られてしまいました。

第89回アカデミー賞を席巻した名作。今更、またまた地上波で初鑑賞となってしまいました。
なんつっても作品賞の発表の際プレゼンターの大ちょんぼによって関係者一同受賞をぬか喜びしてしまった場面はアカデミー史上稀に見る珍事でした。

私にとっては完全にライアン・ゴズリングを愛でるだけの作品でした。バンドの初ライブの際、片手をポケットに突っ込んだままキーボードを演奏するライアン・ゴズリングが超超超カッコいい映画でした。

フリーウェイを完全封鎖し撮影された冒頭のダンスシーンや丘の上の2人のタップダンスのシーン、最後のセブの妄想のシーンなど場面場面は好みの演出なのだけれども、全体的に見るとなんだか違う。私の求めていたものはこれじゃなかった。

世界中で話題になっていたことで、脳内で「ラ・ラ・ランド」はきっとこういう映画だと勝手に作りあげてしまっていました。
これは私が悪かった。変な先入観を持つ前に観ておかなければならない映画でした。

変な先入観といえば、色の使い方や2人の衣装、それに登場するクラブや街並み、小道具、なんだかレトロで勝手に現代の話ではないと思っていたのですね。
なので、劇中で2人がスマホを使っていることに違和感を覚えて最後までそれを拭えなかったです。
ジャズを現代でいかに大衆的に昇華するか、なんてシーンもありましたが、現代的にジャズを取り入れているはずのバンド自体がなんだか古い感じがしたんですが、私だけですか?

結末も本当は嫌いじゃないし、名作と呼ばれるラブストーリーはむしろこういうオチが多いし好まれると思う。
しかし、この作品に関してはどストレートな結末を期待してしまいました。

ということで、鑑賞前に想像を膨らませていた割に情報はほぼ頭に入れていなかったので、ジョン・レジェンドの出演は嬉しいサプライズでした。相変わらず歌声が美しい。
期待し過ぎていたわけでも無かったのですが、個人的には可もなく不可もなく。
最後のセブの視線には今にも「振り返る〜あたなを抱き寄せて〜もう一度〜キスしたか〜った〜♪」なんてセリフを充てたくなる、せつなさもある作品でした。
本当はそんなせつない気持ちを伝えたいわけじゃないことも分かっているのですが、なんせライアン・ゴズリングが超超超カッコよかったので感情移入してしまいました。
音楽主体のミュージカルっぽさを期待せずともどこかで求めていたのかもしれません。
ミュージカルとして観ず、夢を追いかける男女のラブストーリー、上質な脚本の映画として観れば素晴らしい作品だなと思います。

でも、個人的には盛り上がるシーンも無く淡々と終わった印象でした。
劇場で観れば、また違ったんでしょうねーー。
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