小

マネー・ショート 華麗なる大逆転の小のレビュー・感想・評価

4.2
いちばん大事なものが~♪
いちばん遠くへいくよ~♪

鑑賞後の帰り道、口ずさんでしまうじゃないですか~、徳永英明の「最後の言い訳」。またこの歌のタイトルが~(笑)

劇中この歌が流れたとき、可笑しくて可笑しくて、緊迫のやり取りが全く入ってこなかった。しかし、これで自分的名作決定! この映画って、このことが言いたかったんじゃないの? 英語にするとあまりにもあからさまだから、日本語の歌に包んだとしか自分には思えない。

この際、CDSとかCDOとかMBSとかどうでもいいじゃないですか。そもそもショートの意味も良くわからないし、変動金利とか言われたって、それでなんで破綻するのか、この映画を見ただけでは絶対にわからない。

それよりも、この映画は自分的には人間のドラマ。経済にバブルが発生していて、その崩壊前に気付いた人達が、信じられない大金を手に入れながらも「いちばん大事なものが いちばん遠くへいくよ」と思ったに違いないと、しみじみする物語。

嘘みたいな結果を出しても顧客に受け入れられない金融トレーダーのマイケル。正論を叫んでも相手にされないヘッジファンドマネージャーのマーク。伝説の銀行家ベンの力を借りて大儲けし、破綻したリーマン・ブラザーズのオフィス内にたたずむ二人の若者。みんな「いちばん大事なものが いちばん遠くへいくよ」って感じだった。ベンは若者二人に、このことを教えたかったのかも。

金融知識があるかないかで評価が分かれるみたい。確かに知識があることに越したことはない。でもキモの部分は知識がなくても味わい深いと思うけど、ちょっと妄想が過ぎるかしらん。
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