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マネー・ショート 華麗なる大逆転のminorufukuのレビュー・感想・評価

3.5
サブプライム住宅ローン危機の最中、経済破綻を予測し、巨額の利益を得た男たちの話。

ショートとは「空売り」という意味。本作で言うと安定した価値の住宅ローン商品を銀行から借りて、それを顧客に売り、価値が下がったところで買い戻して銀行に帰す流れで、売った価格と買い戻した価格との差分な利益になる仕組み。まあ、そんなの分からなくても楽しめる作りではある。

まずこの映画、邦題&ポスター詐欺がひどい。ポスターの4人の負け犬たちが協力して一発逆転・大儲けする痛快娯楽作品と思っていたら、とても苦い後味のする話だった。まあ実話ベースの社会派映画なんですけど。そもそもポスターの4人は一部を除いて接点ないし、ブラピとライアン ゴズリングは出番少なめ。主役のクリスチャン ベールですらそこまで目立たない。というか話を動かしてるのは明らかにスティーブ カレルと、ブラピが組んでる新進トレーダー2人だったりする。

それにしても微妙な作品。秀作だし、僕は不動産業界に関わったことあるのでリーマンショックとか大体わかるけど、専門用語多すぎて辟易する人多そう。そこを感覚的にクリアしたとしても、登場人物たちに感情移入する展開にもならないので楽しみ方が難しい。強いていうなら、自信満々に住宅ローンの価値を誇っていた銀行関係者が転落していく様がカタルシスになるのだが、それと同時に一般市民も犠牲になっているので何とも複雑な気持ちになる。

クリスチャン ベールの役づくりは相変わらず凄い。いつもお前誰だよ!?と驚かされる。

金融商品をジェンガで例えるシーンは分かり易かったのだが、ブラックジャックとバスケに例える下りがいかにもアメリカっぽい。日本人にはピンとこないかも。
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