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シネマの天使の小のレビュー・感想・評価

シネマの天使(2015年製作の映画)
3.8
良かった。こういうのホロっとくる。想い出のものを失うことに対する悲しさ、切なさに共感するから。

映画は映画館で見るのと自宅で見るのとでは全然違う。真っ暗な中、大きいスクリーンで見知らぬ人とー緒に映像を見る空間。映画館に行くのは単に映画を見に行くのではなく、そういう非日常を味わうためでもある。

映画を見るまでのワクワク感。映画館に辿り着くまでの街の風景。帰り道、映画を思い返し、深く味わう。また、ー緒に見た人と語り合う。 そして時には自分のあり方を見つめ直す。

大げさに言えば、映画館で映画を見るという行為には、人それぞれのドラマがある。だから、映画館は記憶に刻まれる。

キャラクターでは支配人に共感した。映画館を続けたいと思っていても、やめる決断をしなければならない。誰だって、嫌なことはしたくない。しかし、誰かがやらなければならないことはある。オジさんサラリーマンの自分にオーバーラップする。

ヒロインの女の子の「今、わーっとしました」が、可愛くて切なくて良かった。それから、阿藤快さんのご冥福をお祈りします。
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