みや

獣は月夜に夢を見るのみやのネタバレレビュー・内容・結末

獣は月夜に夢を見る(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

病に冒されてきた母と同じ異変を身体に覚え始めた少女が、次第に自らの存在に気付いていくサスペンス。

行きつく先は吸血鬼やら怪物やらいろいろあれど、今回は狼女に変身してまう少女の物語で、ストーリーはそこまで奇抜なわけでもなく、淡々と進んでいく。
誰が誰なのか区別が付かなくなったり、人間関係がよく分からなかったりしたこともあったが、それでも内容を理解するのには特に困らなかった。
つまりは、そこまで個々人のことは大して深く掘り下げられてはおらず、狼女の母娘と父、彼女たちに怯える村の人々、彼女に恋をした男、の3者が分かれば良いだけということなのだと思う。

なぜこれほどの困難を承知の上で彼女を愛し、共に生きることにしたのか、男側の内面がさっぱり理解できなかったのは残念。
90分と短いから仕方ないのかもしれないが、もうちょっとここの感情の変化を観たかった。
妻を失い、娘にも出ていかれ、これから肩身の狭いままに余生を送っていかなくてはならない父親がとにかく可哀想で切ない。

海辺の田舎町が舞台なので華やかさは無いが、映像全体が蒼白く、仄暗い雰囲気が綺麗で好き。
音楽も最低限しか無くて、殺しの場面であっても静かなのも良かった。
みや

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