140字プロレス鶴見辰吾ジラ

X-ミッションの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

X-ミッション(2015年製作の映画)
2.2
ホットファズかよ…

この瞬間すべてが冷めていった。
雲をつかむように熱が逃げて行った。

「ハートブルー」のリメイクでありながら明らかにすべてを凌駕するエクストリームスポーツ×潜入捜査という常任が理解し得ない領域の物語。

すべては”信念”です。
”信念”があるこそラインが見える。

アクションは超弩級です。あまりに理解し得ない領域ゆえに、目的達成に向けて命を賭けることに思考が置いていかれている。2016年公開の「ザ・ウォーク」があったように想像し得ない領域に踏み入れる神々しさと「ボーダーライン」であったようなメキシコ麻薬戦争的な壮絶さ。主人公が主人公としてでなく狂言回しでしかなくなるレベルの”信念”に相対するワクワク感の持続を求めたわけですが、元の「ハートブルー」の名シーンが挟まれた瞬間に一気に陳腐なものへと落下してしまった。キャラクターは”信念”を追うが作品自体は、それを操ることが出来ずに大自然の優雅な美を写したのみで溶けてなくなってしまうように昇華していかない。ラストに関しては、主人公もなす術のないような強大な力を表現しようとしたのだろうが、だから何だとそっぽを向きたくなるような締め方。劇中のキャラだけが”信念”に従い、我々の胸にその熱量が供給されない寂しいエンディングを迎えてしまった。サイコパスなやつだったという言葉は一切出て来ず、”信念”に対して恩を返せなかった作り手の落ち度だと思う。


まったく関係ないですが、劇中のロッククライミングシーンで、私の心の大傑作アニメ「アイカツ」の鍛錬の代名詞である崖登りの試練を思い出したわけだが、星宮いちごはエンジェルフォールを制すことが出来るのか!?とそんなことばかり考えていた。



あとエンドロール長すぎる…