あまのかぐや

アクアマンのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

アクアマン(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アリエルのコスプレしたブラックウィドウさんがいました。

まだレビュー意外にすくないんですねー。どんどん期待値さがってるDCだからかなぁ。そういうわたしも、いつもならあまりDC映画に食指が動かないのですが、これこそはDVD待ちしてはいけない、と。大画面で堪能せねば、と同日公開の「ファーストマン」を置いてまずはこちらを。

しかも敢えてスクリーンの大きな劇場をさがしていってきました。(ほんとならばIMAX推奨)

面白かったです。これ好き。
最終上映の回で観たにもかかわらず寝落ちなかった。DCの映画で初めてかも!

水や海底の描写がキレイでずっと見ていたいような気分になります。海中でのアクション(ひらひらゆらゆらした感じと、ズドーンっと行く感じ)が見ていて飽きなかった。

あまりに特撮じみた戦闘シーンが長く続くと眠くなってしまう私にとっては、アクションの長さもちょうどよかったのかもしれません。派手なアクションがウリな娯楽作品でも「なにごともやりすぎはあかん」を心得てる感じ。

海の中のシーンばかりで飽きちゃうかな、と思ったらけど、陸の戦いも見せ場が様々で凝ってたな。
わたしが好きなのはアーサーとラナが「なにか」を探して世界の海を訪ね歩く場面。パラシュートなしでセスナから飛び降りたサハラ砂漠を歩く海の王様候補と海の部族の王女様の図は面白かった。

イタリアの海岸のシーンも美しかった。ただスタッフがロケに行きたかったのかな?と思ったけど、
ラナが地上界になじんだり、アーサーと打ち解けたり、ピノキオの種明かししたり、…スタッフが行きたかっただけではなく、ちゃんと「必要なシーン」になっていてよかった。

ロン毛でマッチョな神の子と、いろいろ拗らせた美形の異父兄弟との確執があったりー。
父の仇と言って海賊の息子が追いかけてきたりー。
純血種のハーフブリード差別があったりー。
競技場でバトルロイヤルしたりー。
アトランティスのまわりにもいろんな海の帝国、部族があったりー。
妙にハイテクっぽいアトランティス軍の船(?)だったりー。
「海」の上にも底にもいろんなパートの世界観があったりー。
伝説の武器を探したりー。選ばれし勇者が抜ける武器があったりー。
サメとかカニとかタコとか、おまけに海のクリーチャーまで登場したりー。
赤毛のヒロインが、水分をごにょごにょして、掌でまとめてドーンっ!したりー。
死んだと思ってた母が、異界でごにょごにょごにょだったりー。

過去に見たいろんなアクション大作のいろんなシーンがパッチワークのように繰り広げられて、これがまたいちいち面白いんだわ。ここまでやると「パクリじゃん」なんて言えないほど。「これみたことあるでしょ?」「これ知ってるでしょ?」とでも言わんばかり。これが飽きなかった最大の理由かもしれない。これだけアクション映画・ヒーロー大作がつくられてるだもの、逆手にとって大勝利!って感じではないでしょうか。

アトランティスを統べる異父弟との戦いと並行して、父の復讐をもくろむブラックマンタ(人間)との戦いまで織り交ぜちゃって、大丈夫?これ時間内にまとめられるの?と思ったけど、ちゃんと続編へのつながりになっていました!どさくさで片づけられなくてよかった!マンタがアーマーを作るシーンは、アイアンマンかよ、と。BGM含めて。頭と目が大きい、なんか変なヘルメット!と思いましたが、ディズニーシーの海底二万マイルの海底人に似てる。

あ、それからもちろん海の映画なだけあって、リトルマーメイド風異種婚姻譚なおとぎ話(ラナの髪色やコスチュームは絶対アリエル)や、環境破壊みたいな社会問題まで、よくぞまぁここまで盛ってこの時間内で、しかも見やすくまとめたものです。

(津浪の映像、そのあとのニュース映像は急にリアルに放り込まれたな。「注意喚起」がこれまでのどの映画よりも必要じゃないかとおもいました)

これだけ「どこかで観たような」をつぎはぎされて、それでもありきたりで済ませなかったのは、ちょっとこれまでになかったようなヒーロー像、アクアマンことアーサー・カリーのキャラクターのおかげかな。「異種の父母間にできた自分」なんて重い宿命だかも、どこ吹く風。なんか飄々としてて、いい。彼がクヨクヨしてたらバットマンやクラーク・ケントと同じになっちゃう。DCユニバースを感じさせるのが「ステッペンウルフ」の名前が出てあたりぐらいで、これまでのDCユニバースを知らなくても、単体映画でも全然楽しめる。むしろあの世界観に閉じ込めて欲しくないとまで思ってしまいました。

そして実際あまりセリフがないにも関わらず(いやあえてセリフが少なくしたのかな?)存在感がすごい。すがめたような瞳で語らせたり、あと後姿から、髪をなびかせて振り返るシーンのかっこいいこと。

パトリック・ウィルソン、いままで印象にあまり残らなかったけど、これすごくいい役だったよね。続編では、絶対いいシーンで登場して兄上を助ける説。

それからウィレム・デフォーが、彼の役がよかった。実はずっと「裏切る?」「闇落ちする?」ってハラハラしながら観ていたけど。

ヒロイン役、これこそスカヨハでも、オルセンちゃんでも、アリエル、じゃなくてラナのコスチューム着ればいいじゃんと…、アンバー・ハードである必要性が?と思ったけど、最後は馴染んでいた。いや逆に、女優の個性がないほうがいいのかもなぁ、と思った。

それでも母役は恐れ入りました。モモアさんの母がニコール・キッドマンとは!いやはや、すごいな。アンジェラ・バセットやダイアン・レインやミシェル・ファイファーや、「昔、少年ごころをざわつかせたセクシー女優」と言ってしまうには失礼なお年頃の美女がヒーローの母として復活してるけど、ニコールさん、早くもそこいっちゃう?
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