大きな声の絶賛を浴びまくっている姿を見てからの鑑賞となったので、いろいろ冷静に判断できてないところが多い。
この映画は、よくできたオープンワールドのゲームをプレイしたときのような『そこに人々が生活している』という説得力に満ち溢れてます。主人公のすずは、はっきりキャラの立った人物が多数存在するこの映画の中でも抜群の存在感と魅力を放っていて、その動きをみているだけで幸せになれる映画だった。これができているだけで、面白い映画としての条件はクリアしていると思います。
この映画は戦争映画ということになるので、結論だけ取り出せば非常にやかましいことを言われているのかもしれないけど、「普通であってほしい」と哲に望まれたように、ただ日常を続けていこうとする人々の視点から描き続けられる。その結果、あれだけニコニコと暮らそうとしていたすずから笑顔が消えていく、それでもまた、日常を続けていくしかない、その傍らに戦争があった、という「生活の迫力」とでもいうような描き方をすることで、このテーマの映画における取り扱いをアップデートしているような気がしました。
悲しい話は基本的に好きじゃないのですが、生活するってことは半端じゃないのだと、自分のことを思っても、他人を思っても感じるところです。この映画は、「そこに生活があり続ける」というどうしようもなさ、その迫力について改めて考えさせられる映画だし、すずさんかわいくてペロペロしたい映画でした。
