タケオ

この世界の片隅にのタケオのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
3.8
第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞し日本のみらなず世界中から絶賛された本作は、同時期に日本中を沸かせた「君の名は。」の陰に埋もれてしまったものの自信をもってその何倍も見る価値があると断言できる作品だ。

淡い水彩画タッチで描かれる主人公すずの慎ましくも温かい日常とそんな日々を侵食する戦争の悲劇を情け容赦なく描き、ガンガンと鑑賞者の感情を揺さぶりまくる‼︎

1944年、広島県呉市。
戦争の惨禍に晒され、それでもなお明るく前向きに生きようと戦う"市民"がいた。
そんな当たり前の事実を真正面から描くからこそ、戦争の恐ろしさと人間の温かさが鮮明に浮かび上がってくる。

今、この世界の片隅に友人と、家族と、愛する人と何気ない日々を送ることができている。そんな奇跡に感謝したい。

当たり前のことしか書いていないけど、それこそが本作で一番大切なことだろう。
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