平野レミゼラブル

シャザム!の平野レミゼラブルのレビュー・感想・評価

シャザム!(2019年製作の映画)
4.2
試写会にて鑑賞。
『笑い』を前面に押し出したマーケティングをしていたものの、開始30分あたりは結構生々しい家庭環境とかが描写されて、主人公やヴィランの抱えるそれぞれ複雑な生い立ちから成る問題や課題を示していくので、その辺りは案外王道なアメリカンヒーロー。

だが、ヒーローの力を得てからは悪ノリ全開。
力を持て余した子供ならではのバカ騒ぎが続いていく。
ちなみに『シャザム』はソロモン、ヘラクレス、アトラス、ゼウス、アキレス、マーキュリーと神話の神々から頭文字を取った由緒正しいものなのだが、当の本人が「ダサい」と一蹴。
ヒーロー活動時もコロコロと名乗りを変えるため、人々からは「あのヒーロー」くらいの認識だし、名前というより変身時の掛け声みたいな印象を受ける。
そのため、本ヒーローをシャザムと呼ぶのは、ガッシュをザケルと呼ぶような居心地の悪さを感じる。

個人的にMVPを与えたいのはヴィランのハゲで、彼は終始大真面目に悪のラスボスムーヴを続けてくれるため、終始お気楽&悪ノリな主人公へのツッコミ役や調整役として働いてくれた。
大真面目に行動してるのに、端から見るとトンチキな行動になっている天然っぷりもポイントが高い。
試着室正面突破ハゲ、本当にすこ。

前述の通り、基本的には王道で『家族』と『友達』をテーマにした丁寧な成長ストーリーでもあるため、万人に気軽にオススメできる作品だ。
吹き替え版は色々物議を醸してるけど、推しのヴィランハゲが子安な時点で見るしかないなって思ってる。テラ子安ヴィラン演説も聞きたい。