とりん

デジモンアドベンチャー tri. 第1章「再会」のとりんのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

2020年7本目

デジモンアドベンチャー放送から15年、02放送終了からは14年半経った2015年に公開された待望の続編映画。
声優は選ばれし子供たちは刷新され、パートナーデジモンたちは続投。
時系列は02から3年経った世界。
高校生になった太一たちの前にゲートとは異なるデジモンワールドと繋ぐ扉が開かれ、感染デジモンと呼ばれる普通より凶暴なデジモンが現れ、お台場を襲う話。

ファンにとっては待望の続編だったにも関わらず、鑑賞後のファンからは酷評の嵐だった作品。
確かにファンの言わんとしてることはわかる、ただそこまで酷いものではなかった。
高校生にもなってあの声というのもないから、子供たちの声優は刷新というのは良いと思う。
ただもう少し大人に寄せても良かったかも
でも過去の声にもちゃんと近い形に演じていて、途中からはそこまで違和感なかった
ストーリーも悪くなかった。
デジモンが主体なのは間違いないが、大人になりかける高校生が舞台なだけに、心情的な部分が色濃く出ている。
昔から変わらず守ることだけで自分の意思を貫くヤマトと周りの被害や風評などを気にしてなりふりかまわず熱くなれなくなった太一。
この2人の対比があまりにもわかりやすいほどに表現されていた。
そしてデジモン含めそれを囃し立てる周りも、テレビシリーズの感じが出てて良かった。

レビューとかでよく見かけたのは太一のこの気持ちのせいで話が進まない、もどかしいや進化できないとかあったが、個人的にはこれが良かった。
無印の時はお台場丸っとそれこそフジテレビなんて跡形もないくらいぶっ壊したのに何気にしてんだと言いたくなる人もいるだろうが、あれは良くも悪くも小学生だ。
とりあえず戦って勝って守るということに熱くなって敵に立ち向かう気持ちがあったからこそ。
だから大人になるこの狭間の太一の気持ちがよくわかる。

また進化のシーンが長い、カットしろとあったが、デジモンの醍醐味はこのシーンである。
今回これまでの進化シーンを刷新して、ゲーム感ある進化シーンに変わっている。
少し長回し感は確かに否めないが、これ入れるべきシーンだと思う。
よく細田監督のウォーゲームなどを引き合いに出すが、あれは短い時間で詰め込んで、スピード感を出すためなのもあり、進化シーンもスピーディに行われていた。だからあまり比べるものでもない。
中編映画のデジモンハリケーンではしっかり進化シーンはある。
ただ成熟期までのシーンしかなかったのは残念。やるなら超進化やワープ進化もしっかり見せて欲しかった。

そして全体的に言える話は、ストーリー展開や魅せ方が映画じゃない、テレビスペシャルくらいの感覚。
これもレビューで見かけたが、テレビシリーズにした方が映えるのは間違いない、テンポ感がテレビ。
さらに言うと今回一番自分に合わなかったのは作画だ。これだけは一切前に寄せていない、何もかも変えている。
良い意味で今のデジタル感、グラフィックにはなっているが、あまりにも滑らかというか、やるならやるでもっとやりようがあったと思う。

あとは高校生ならではの恋愛要素がテレビシリーズより出てて良かった。
これは昔から気になってたとこあるし、先日テレビシリーズ見返したときも気になった点のひとつ。

なんだかんだ欠点ばかりあげていたのもあったが、一番良かったのは音楽。
テレビシリーズによく寄せて、それを上手くアレンジして、分かる人にはどの曲がどれをアレンジしているかわかる。
ちゃんとシーンにもあって良かったなと。
進化の曲brave heartも宮崎歩さん、さらにはエンディングまでまさかのAimさんのI Wishだとは思わなかった。しっかりアレンジ加えている。

今作はあくまで入りとしての序章なのでこんなものかというのはあるけど、6章あるからこそのスピード感はやめてほしい、もっとテンポよく行ってほしいものだ。
6章あるからとなると、テレビシリーズにしろとなってしまう。
とりん

とりん