【映画はビートを刻む】 ジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」を読んでいると、ハリウッドに映画の脚本を売り込みに行ったり『マルタの鷹』や『サリヴァンの旅』への言及がされており、ひょっとして映画に関わっていたことがあるのではと思って調べてみた。1959年に写真家のロバート・フランクがアルフレッド・レスリーと撮った短編映画『Pull My Daisy』の脚本を手掛けていた。ロバート・フランクといえば、写真集「アメリカ人」を出版する際に、ジャック・ケルアックに序文を依頼したことで知られている。この翌年に本作が制作された。主演はアレン・ギンズバーグ。ナレーションはジャック・ケルアックが担当した。つまり、ビート・ジェネレーション作家による映画となっているのだ。実際に観てみると、芸術家の才能がぶつかり合う作品であった。