あなぐらむ

エンド・オブ・キングダムのあなぐらむのレビュー・感想・評価

エンド・オブ・キングダム(2016年製作の映画)
4.3
ロンドンだからちゃんと橋が落ちます!皆でバニングを応援しよう!
マイク・バニングものの第二作、こちらも「続編」である。
99分という尺が素晴らしい。やはりアクションは生身がいい。派手なドンパチ見たい向けにはこれでご馳走、ジョナサンで食うコース料理である。
大統領チームが皆さんお揃いで嬉しいほか、SASも活躍、ナイフ大好きキルカウンター:ジェラルド・バトラーの大立回りは東映時代劇の殺陣を見るよう。ケツ顎度も高し。

ゼロ年代だからかなんだか分からないんだが本作で悪の目的が面白いなと思ったのが、大統領を殺す事、じゃない点。「合衆国大統領(及び各国首脳)を殺す所を世界に見せる」という一点なのだ。プロパガンダによって新しい秩序を宣言しようとする。その点は正しい現状認識かとも思う。今ロシアとウクライナが双方でやってるのもこういう事でしょう。とっとと双方のドンの首を獲る、とはならないという。

作りとしては建物ひとつの攻防だった「エンド・オブ・ホワイトハウス」よりも街全体が舞台の割にな随分コンパクトな感じになっているが、脚本はちゃんと前半の複線(伏線とはあえて言わない)が後半に活きるように作ってあるし、やっぱり生身の男同士がぶつかり合い、銃を撃ち合い「命のやりとりをする」様は、単純に男の子脳を刺激するんだよね。80年代アクションの洗礼を受けてる身としては俄然しっくり来る。鑑賞後、「ムービープラス映画だったわ」と言ったら嫁さんが「あぁ、なるほど」って納得した我が家である。

さて、LHF(エンド・オブ・キングダムだと長いから以降こう書す)では地味に下院議長から副大統領に出世してるフリーマン。釣りが趣味なフリーマン。司令室にいると大統領より大統領に見えるフリーマン。でも飴はタダではあげない。
三作目では遂に、である。流石の大統領俳優。ジェラルド・バトラーは彼(大物俳優全般)の使いどころをよく知っている人だ。