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俳優 亀岡拓次の小のレビュー・感想・評価

俳優 亀岡拓次(2016年製作の映画)
3.3
脇役俳優を主役にした作品。脇役の必要性とかを強調するわけでもなく、成功もしなければ、悲惨でもないどこにでもいそうな人の物語。ゆるく進行し、ところどころクスクス笑って、ちょっと切ない。

この人、さえない役を演じた後、酒を飲んで一日が終了する。すぐ思いましよ、これって俺じゃん。さえない仕事をして、家か外で酒を飲んで終了(もっとも、最近はムビ活(映画を見る活動)をしていることが多いけど)。

ちょっと困った仕事相手や恐い上司。せっかくもらった任務は向いてないからと交代させられ、同僚には抜かれる。そして時々、ちょっと失敗してプチ自己嫌悪。たまの恋も…。さえないことを自覚しつつも、努力するわけでもなく、昼間はゆるく活動し、夜はお酒飲んで寝る。

そんな毎日でも、「生と死をさまよいながら(注:自分的解釈=生きているのか死んでいるのか、わからないくらい影薄く)歩いている姿が最高」とか揶揄されながらも、何とか生きている亀岡拓次。

スクリーンの中に自分の分身を見て、「これじゃいかん。よし、明日から頑張るか」とは、決して思わないアラフィフオヤジでした。むしろこれでイイよ、と自己肯定(笑)
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