例によって、ピエール瀧は知っているけど、電気グルーヴって何? 石野卓球って人は初めて見た、という自分が鑑賞してしまった。結果、電気グルーヴって凄いなあ~、と。
クラブミュージックのテクノをいち早くメジャー化したのが今年結成27年目の電気グルーヴの功績のようだ。
彼らの音楽は聞いているうちにぼ―っとしてくる。うっかりすると、体を動かしてしまいそう。多分ライブとかで生で聞いたら、トランス状態になるような気がする。
音楽だけでなく、煽りというか演出というか、観客を盛り上げる能力も凄いのだろう。狭いスタジオではなく広いホールや野外でも観客は熱狂する。
一番凄いと思うのが、常に新しい方向性の曲を模索し続け、途中立ち止まりながらも、成果を上げていること。しかも、自分と大して年が変わらないオッサンになってもだ。
若い頃に激しく燃えてパッと散ったり、長く活動を続けていても過去の遺産で食っている、という状態の人が多いのが表現者の世界だろう。常に変化しながらも、認められる電気クルーヴは、真似のできない唯一無二の存在のようだ。
石野卓球の才能、彼とピエール瀧との絶妙なコンビ 、2人のバイタリティが電気グルーヴという存在を支えているように見える。ピエール瀧は石野卓球の創作能力を妨げることなく、石野卓球劇場のメインキャラクターを演じている。だから俳優でも成功するのかも。
気持ち悪いほど仲の良い2人。成功したアーティストによくある仲間割れとは無縁だ。この2人が揃わないと電気グルーヴはあり得ない。苦しい時も信頼できる友がいる。実はこれこそが電気グルーヴが唯一無二の存在たる理由かもしれない。