小

団地の小のレビュー・感想・評価

団地(2015年製作の映画)
3.7
団地で繰り広げる関西お笑いテイストのヒューマンドラマ、なのかな? 笑わせつつ、団地の人間関係を描くのかと思いきや…。

コメディとしてみると、ナカナカ楽しかった。藤山直美さんって、間が良いというか、面白い。「前世は…」のくだりは、今思い出しても噴き出しちゃう。岸部一徳さんとか共演者も上手いし、斎藤工さんもいい味だしている。

お笑い風にしたのは、伏線が不自然にならないようにするためですな、きっと。そのお陰で違和感をうまく処理できたように思うから。

この映画、ある時点から、実はコメディじゃないんだよ的な展開に切り替わる。この切り替え自体は良いのだけれど、オチがちょっと雑じゃないかと。

「ショートショートの神様」の作品のように、思わず唸っちゃうような、膝を叩いちゃうようなオチを期待したのだけれど、強引にまとめた感が否めない。

公式サイトの監督インタビューによれば、藤山直美さんのスケジュールがたまたま空いて、ダメモトで映画出演を打診したら、監督だったらオッケーとの返事をもらい、急きょとりかかったそうだ。

その結果、「数日でプロットを考え、一週間で脚本を書き上げた」 「スケジュールが二週間ちょっとしかなかった」と。

突貫工事で仕上げたゆえのオチなのかもしれない。もう少し時間をかければ、もっと良い作品になった気がするけど、制約の中で、とにかくカタチにするのも大人の仕事。笑えたので満足はしました。
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