【ヴァンパイア映画のススメ】
『 アンダーワールド 覚醒』(2012)
◆本作のポジショニング
(密約) ←←← 人類 →→→ (解剖)
↓ ↓
狼男族 →→ (征伐) →→ ヴァンパイア
〈見処〉
①三つ巴の抗争、鍵を握る少女の正体は? シリーズ最大ヒットとなる4作目!
・『アンダーワールド 覚醒』(原題: Underworld: Awakening)は、2012年制作のホラーアクション。
・第2作にて狼男族ライカンだけでなく、同族のヴァンパイアからも追われる身となった女戦士セリーン(ケイト・ベッキンセイル)は、本作の冒頭にて人類に拿捕されてしまい、バイオ企業のアンディジェン社の研究施設で冬眠状態にさせられる。
・12年が経過。眠りから覚醒した彼女は、その間にも収束することのなかったヴァンパイアとライカンの抗争に、両種族の能力を奪おうと人間が加担し、混沌を極めた状況を目の当たりにする。3種族が入り乱れる壮絶な戦闘の最中、セリーンは戦いの行方を大きく左右する存在となる少女イヴと出会うが…。
・本作はシリーズ第2作の逃亡劇の後を描いた第4作。シリーズ他作品よりもアクションとゴア描写が多く、R15+指定を受けたが、シリーズ最大のヒット作品となった。
・謎の少女イブを演じたインディア・アイズリーは、『ロミオとジュリエット』(1968)のオリヴィア・ハッセーが布施明と離婚後に再婚したアメリカ人ミュージシャン、デヴィッド・アイズリーとの間にもうけた長女である。
③結び…本作の見処は?
ケイト・ベッキンセイル、38歳。
○: セリーン以外の登場キャラクターは一新され、アンダーワールドな世界観はオープンワールドと化したが、人類を含めた三つ巴の抗争は緊張感があり、新たな見処を発掘出来ている。
○: ゴア(鮮血)描写が増え、モダンホラーとしての恐怖感もグレードアップ。とくに、少女イブの豹変顔はゾッとする描写。
▲: 人類(研究室、刑事)の登場により『バイオハザード』との類似性が増し、シリーズ特有のブルー基調のゴシックホラー感が消失したのは勿体ない。