minorufuku

ディストラクション・ベイビーズのminorufukuのレビュー・感想・評価

3.7
愛媛で暮らす主人公が街中の強そうな相手にひたすら喧嘩をふっかける話。本当に、ほぼ、それだけの話に近い。

過激な暴力描写との前評判を聞いていたので、覚悟していたが、想像を絶するイタさで泣きそう。画面から放たれるエネルギーに圧倒された。

普通、喧嘩をふっかけると聞くと「何見とるんじゃ、コラ!!」みたいな言葉発して睨み合いから始まるイメージがあるけど、本作の主人公は無言でいきなり見知らぬ相手に殴りかかる。殴ってる時も殴られる時も無言なのでとても不気味。そして手加減と引くことを絶対にしないのでやられた相手は瀕死の状態になるので泣きそう。
喧嘩のシーンにエンターテイメント性が皆無で、殴る音が乾いた鈍いペキっという響きなので本当に殴られた時の音のようで耳から離れない。
主人公演じる柳楽優弥の熱演が光る。セリフは5ワードくらいしかないのにとてつもない存在感。喧嘩も最初はかなりやられつつ続けていたのが、段々とこなれてきて最後はマフィアのボスかと思うくらいの貫禄があった。
他にも菅田将暉の狂気をはらんだクズ演技とか、キャバ嬢役の小松菜奈の汚れ演技が見もの。
柳楽優弥は強者しか殴らないのに、菅田将暉は女子供を容赦無く攻撃するので酷かった。

イケメン俳優出演してるせいか、女子高生の観客が多かったけど、こんな暴力のみの映画観てトラウマにならないか心配…
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