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ネオンくらげ
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『ネオンくらげ』に投稿された感想・評価

東映ポルノ路線後期の青春映画の秀作。70年代東映B面映画の職人監督・内藤誠の唯一の成人指定映画。音楽は三上寛、坂田明、中村誠一など。

青森から上京した17歳のゆき(山内えみこ)は喫茶店のウェイトレス。同郷の19歳のバーテン・研治と同棲している。ある日、喫茶店の客と口論しているゆきを都会の遊び人でカメラマンの浩一(荒木一郎)がモデルとしてスカウト、新宿のぼったくりバーのキャッチガール仕事を紹介する。「今日からあたしはネオンの下でくらげみたいにフラフラ生きるんだ」。ゆきは夜の新宿を漂い始めるが。。。

無学な田舎娘が夜の世界に染まっていく姿を、新宿拠点のフォークシンガーだった三上寛の歌と共に描いている。本作がデビューの山内えみこ(当時19歳)のキャラクターがいかにも等身大な夜の娘にハマっていて、昔遊んでいた同様の友人たちの面影を思い出した。彼女たちの多くは決してやさぐれているわけではない。教養が無いため若さを売りに水商売で稼ぐのが自活への近道なのだ。50年以上前の映画ではあるが、主人公ゆきの姿は現在のキャバ嬢の典型と大差ないように見える。

時代の転換期を象徴する一本なのかもしれない。当時の女性主人公映画を振り返ってみると

1970 東映「野良猫ロック」「女番長」シリーズがヒット
1971 日活がロマンポルノ開始
1972 東映「関東緋桜一家」で藤純子が引退
1972 東映「女囚さそり」シリーズ開始~1973
1973 東映「ネオンくらげ」
1974 東映「女必殺拳」シリーズ開始

70年安保闘争を境に反体制や反抗の色合いはだんだん影を潜め、オーバーラップして時代に同調的、あるいはサブカル的なものが幅を効かせてきている。現在の文化状況は50年前が起点と考えられる。

反体制映画の最後の頂点「天使の恍惚」(1972)のラストは、新宿を爆弾を抱えて歩く吉澤健の姿に山下洋輔のピアノ×中村誠一のサックスが鳴り響く。対して本作のラストは、新宿を中年客の腕を抱えて歩く山内えみこの姿に坂田明×中村誠一のサックスが鳴り響くのだ。この奇妙な類似は、内藤監督の若松孝二監督への回答だったのではと思えてくる。もはや闘争相手は国家ではなく日常なのだと。二人は共に1936年生である。

“同伴喫茶”という単語を聴いたことはあったが、本作で初めてシステムを知った。

※内藤誠監督は本作が最も低予算の映画だったと振り返っている。
劇場で鑑賞

主役の女の子が17歳という設定に多少無理はあるものの、力強く生きる女性映画としてはまあまあ面白かった。作品の1/3くらい濡れ場だった気がするし、女性同士の絡みもあったのは驚いた。道端で剣道の防具まで付けて素振りをやってた少年はなんだったんだよ笑。
山内えみこの紹介作だけあって脱ぎまくりで大変宜しいが、ウェットな物語に反して寧ろ彼女の渇いたテイストが、肌を見せる程に際立っていくという、まさにくらげの様な不思議な輝きの一本。
川村真樹と坂本長利、日活組の二人を招いた、ロマンポルノへの東映からのアンサーの様でもある。

どこまでも逞しくふてぶてしい女達に比べ、どうにも男達がみじめで情けないのが東映本流のやくざ映画へのアンチテーゼになっている。
山内みえこは「女」という職業を生きている。そこでは使える武器は全て使い、金という対価を得る。平等くそ食らえ、女は強いのである。

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