ぎー

ベイビー・ドライバーのぎーのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
3.5
【第90回アカデミー賞特集3作品目】
【エドガー・ライト特集1作品目】
"カーチェイス版『ラ・ラ・ランド』"
唯一無二の映画だった。
ジャンルで言えばアクションミュージカル。
他にも有名な作品があるのかもしれないけど、僕はこんなジャンルの映画初めて見た。
音楽と完全に合わせて全てのセリフやアクションが行われる。
例えば主人公のベイビーがコーヒーを買いに行く時、聴いている曲の歌詞に合わせて身体を動かしながら歩いていく。
だから当然通行人にぶつかりそうになるし、邪魔にはなるんだけど。
車関係の音がすべて曲に同期してるのはすごいと思ったし、銃撃戦すら曲のリズムに合わせていたのは驚異的だった。
生半可な覚悟でこういう切り口の映画を作ろうとすると、めちゃくちゃダサくなると思う。
この映画は専門家の人を入れてトータルコーディネートしたらしく、また、アクションシーンも膨大なテイク数でワンカットでやっている。
だから、めちゃくちゃお洒落に仕上がった。
そして、唯一無二のジャンルの映画を作り上げる事に成功したのだ。

映画の切り口やアクションミュージカルっていうジャンルも凄かったけど、さらに因数分解したとしても、そもそもカーチェイスの完成度と作中の音楽のセンスの良さは際立っていた。
特に一番最初、主人公のベイビーが赤色のスバルを駆って逃走するアクションは最高だった。

ストーリーはタランティーノばり。
とにかくめちゃくちゃで何でもあり。
結果的に主人公の仲間は全員死んじゃうあたりもタランティーノっぽい。
ずっとベイビーに絡んできてた強盗仲間は、ベイビーに"車を動かさないと殺すぞ!"って凄んで、その通りにベイビーが車動かして鋼材に突き刺して殺したし、同じく強盗仲間の女は銃乱射しながら警官に乱射されて殺されてたし、その仲間の女の恋人はベイビーに駐車場から落とされて殺された。
本当にタランティーノが絡んでないんか、って思って関係者の名前二度見したけど、無かった。
って疑うぐらい、滅茶苦茶で、エンタメで楽しかった。
ぎー

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