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ベイビー・ドライバーのabeeのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.5
【BABY,最高にクールな響き】

様々な要素が詰め込まれた良作。
映画館で1人体がうっかり縦ノリ、横ノリ、楽しんでしまいました。
正直、最後のケヴィン・スペイシーの行動は解せない部分ではありますが、それを抜きにしても納得の高評価作品です。

オープニングからジョン・スペンサーの「bellbottoms」でひとりノリノリの“ベイビー”にやられてしまった。めっちゃかっこいいじゃん。そこから街中に出て、踊りながら歩く“ベイビー”。ここまででもうお腹いっぱい。音楽と映像のシンクロ・マジック。とにかくクール。

ところが…ここからまだ魅せてくるんですよ。そう、ノリと勢いだけでは語れないのがこの作品。ここからが“ベイビー”の魅力。

イヤホンにサングラス、寡黙で捉えどころのない“ベイビー”。でも無口なのは家族とのコミュニケーションに「言葉」が必要なかったから。イヤホンを取れないのは「思い出」に依存しているから。そんな背景をセリフを通さず映像と音楽だけでバリバリ伝えてきます。

それはスピーカーに当てられたジョーの手や、中身がむき出しのiPod、ママのカセットテープ、様々な小道具たちの魅力。そこでわたしはやられました。
通信手段はスマホなのにどこか60's、70'sを感じさせるダイナーやファッションの雰囲気も魅力的。

そしてセリフのクールさ。主人公の名が“ベイビー”であることが大きいが、全編通して“ベイビー”に語りかけるセリフたちに愛しさや優しさを感じることができる。アニメやシェイク・スピア、歌詞の引用で成り立つセリフたち。

その上嬉しい驚き。
そう、レッチリのFLEAが出演しております。「鼻のない男」として笑

もう何も言うまい。どうぞお楽しみ下さい。
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