三郎丸

マッド・ドライヴの三郎丸のレビュー・感想・評価

マッド・ドライヴ(2015年製作の映画)
3.4
ニコラス・ホルト観たさに鑑賞!
しかし…邦題【マッド・ドライブ】ってなんとかならんものでしょうか?
ニコラス・ホルトがマッド・マックスに出たからでしょうか…サっブい!

ストーリーは、
1997年、主人公スティーブンはロンドンのレコード会社でA&R(アーティスト&レパートリー)としてアーティストを発掘する仕事をしていた。
素晴らしい音楽を作り出すためでも新人を育成するためでもなく、何よりも地位と金を得るために躍起になるスティーブン(本当に自分の事しか考えないヤツ!)。
音楽業界でのし上がるために、邪魔な同僚を蹴落とすことも。
A&R部長に失敗を起こさせ辞職に追い込むものの、代わりにそのポストに就いたのは同僚だった。
スティーブンは同僚を酒と薬漬けにし殺害。今度こそ昇進できると踏んでいたが…

曲のヒット=成功
という他人の耳頼りの難しい業界。…それ以前に、登場人物ヤクやりすぎです!(あまりにコカイン吸うので、それを見る映画かと錯覚するほどです…)
90年代後半、確かにUK音楽ブームっぽい事があった(オアシス等)のを記憶してますが。現在は、当時ブイブイ言わせてたバンドはスッキリ居なくなりましたね。
それだけシビアな世界だということなんでしょうけど。(1曲当たると同じような楽曲やっちゃいますからね)
今作は、そんな世界を如何にのしあがるか?という映画ですが、主人公音楽なんかどうでもよくてオーディエンスウケしか見てないのです!そして仕事ぶりも成り行き任せ。
ただ、主人公が秀でているのは、
【自分の出世という野心が結果的には会社の利益】
に繋がるという皮肉。映画ではまんまとその野心が成就します。(相当乱暴ですが)

ニコラス・ホルトのクセのないファションが妙にダサく見えますが…テンパり演技と人を殺める際の冷たい表情が最高です!
あと、アーティストのスカウト時、
「私たちのアルバムの何曲目が好きなの?」
と聞かれ、すかさず
「3曲目!」
と、毎回答えるところ。2曲目と答えないところが良い!

映画冒頭、ニコラス・ホルトのナレーションで
【音楽業界は芸術をつくる義務も社会を変える義務もない】
【いいレコードをつくる義務もない、我々の義務は金儲けだ】
まさに的を得ており、邦楽業界だってその辺は、ドップリですからね。
(例えば、総選挙投票券付きCDとか何なんでしょう。音楽聴いてもらう気ないでしょ!?(笑))
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