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レディ・バードのYYamadaのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.6
【戴冠!ゴールデン・グローブ賞】
 ~オスカー前哨戦を制した作品たち

◆第75回(2017)G.グローブ作品賞受賞
 (ミュージカル・コメディ部門)
◆同年のアカデミー作品賞
『シェイプ・オブ・ウォーター』

〈見処〉
①リアルで「痛い」高校生活を描く
・『レディ・バード』は、新興映画会社「A24」により、2017年に製作された青春映画。
・舞台は2002年、カリフォルニアの州都、サクラメント。閉塞感漂う片田舎のカトリック系の女子高に通い、自らを「レディ・バード」と呼ぶ17歳のクリスティン。
・金銭的に余裕がない家庭。希望するNY進学を母に反対され、自分の将来に対する閉塞感の環境のなか、友人やボーイフレンド、家族の間に揺れ動きながら、高校生活最後の年を過ごすレディ・バードであるが…。
・本作は、自らが主演を務めた『フランシス・ハ』(2012)にて、ゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネート経験のある、女優グレタ・ガーウィグにより、自らの出身地でもあるサクラメントを舞台に、自伝的要素を盛り込みながら描いた青春映画。ガーウィグによる当初の脚本初稿は350ページにもおよび、全てを映画化すると6時間近く要するストーリーの中から、核心となる「青春の輝きと痛み」「母と娘の関係性」を紡ぎ、94分の作品に凝縮。
・本作は批評家から高く評価され、米国の映画レビューサイト「Rotten Tomatos」では、名作『トイ・ストーリー2』の記録を塗り替え、最も長期間にわたって高評価「100%(Fresh)」を維持した作品となる。
・また、本作は、G.グローブ作品賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞を皮切りに、賞レースを席捲。第90回アカデミー賞では、作品賞ほか6部門にノミネート。惜しくも受賞ならずも、ガーウィグは女性として史上5人目の監督賞候補となっている。

②結び…本作の見処は?
○: レディ・バードの衝動的な思考や行動は、行き詰まる環境や将来への不安によるもの。鑑賞者の誰もが共感出来るポイントがあるはず。
○: 本作の骨子は「母と娘の物語」。子育て経験世代の鑑賞者は「親目線」でも鑑賞したい。
○: ニキビ顔で等身大のレディ・バードに扮するシアーシャ・ローナン。既に4回もアカデミー賞にノミネートされている「最も勢いのある女優」を堪能出来る作品。
▲: 実体験を共有出来る女性のほうがレディ・バードの心情理解が出来るはず。男女で評価が別れる作品。男性視点では、「佳作」であるが「傑作」までの評価は出来ず。
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